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「武器みたいな武器はない」甦った一本気の男、福山博之。~楽天中継ぎの柱の真摯な言葉~
posted2020/11/22 07:00
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
KYODO
11月7日、仙台でのライオンズ戦が今シーズンの最終戦だったイーグルスは、6-6の同点に追いつかれた7回、なおもワンアウト一、二塁のピンチで背番号64、福山博之をマウンドへ送り出した。
いつものようにダッシュでマウンドへ向かった福山は、このピンチで右バッターの愛斗に対し、インコースへのシュートを投げ切った。詰まったショートゴロを打たせてのダブルプレー――味方に勢いをつけると同時に相手への流れをせき止める、福山の素晴らしい仕事だった。
福山は今シーズン、14試合に投げて防御率0.75。6つのホールドを記録してプロ10年目を終えた。といってもこれは9月22日以降に残した数字だ。昨年7月に右ヒジと右肩の手術を受け、そのオフには育成契約を余儀なくされた福山は今年、164という3ケタの番号を背負ってスタートを切った。9月21日に支配下登録を勝ち取ったとき、福山は「一球一球、魂を込めて投げていきます」とコメントしている。