格闘技は「みんなと喜べるツール」

――現時点で来年のことは何か考えていますか。

　来年のことはあんまり考えていないです。でも、自分にはやらなきゃいけないことがあるので。やっぱりBellatorに返上したベルトを取り返さないといけない。今のところはそれぐらい。

――堀口恭司がもっと強くなっているんじゃないかという期待を抱いているファンも多いと思います。アスリートとしても、世間の予想や想像を超えたいという思いはありますか。これだけの大きな怪我を乗り越えてチャンピオンに戻る例は、なかなかないことだと思います。

　本当にありがたいですし、それに応えないといけないですね。何より一番は前回の海君とやった試合で負けて、身内の人たちが泣いていたわけですよ。だからそこを払拭したい。だから怪我どうこうは二の次かなと。それにいま、こういうコロナとかですごい不景気というか、どの国も空気がドヨーンとしていると思うんですよね。そういうのを自分が勝って、格闘技を見ている人たち、自分のファイトを見てくれている人たちに元気を与えたいなと思っています。こういうエンタテインメント、スポーツがあるということを見せるために自分はカムバックするので、しっかり見せたいと思っています。

――この1年ちょっと、改めて格闘技が好きだなと思える時間でしたか。

　うーん……そんなセンチメンタルは自分にはたぶんないですね（笑）。でも動くのが好きだなとは思いました。まぁ格闘技はみんなと一緒になれる、みんなと喜べるツールなので。

――怪我をしたことが自分にとって「良いストーリーになる」とおっしゃったことがありました。対戦を直前に控えて、いまの流れは予想通りにありますか。

　そうですね、イメージ通りなんじゃないですかね。試合前になってくると、もうワクワクする気持ちのほうが強くなっていくので、今はすごく楽しみです。

――堀口選手に早く会えることを楽しみにしています。

　もうすぐですよ。待っていてください。

1年4カ月ぶりとなるリングでどんな戦いを見せるか　©AP/AFLO

＜RIZINバンタム級王座の経緯＞
2019年大晦日に初代バンタム級王座の堀口恭司と朝倉海のタイトルマッチが予定されていたが、堀口が怪我のために欠場。堀口に代わりに出場したマネル・ケイプが朝倉に勝利し、ケイプが第2代バンタム級王者に輝いた。しかし、その後ケイプのUFC移籍が決まり、王座を返上。空位となった王座を賭けて行われた2020年8月のタイトルマッチで扇久保博正を下した朝倉が第3代王者に輝いている。

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