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衝撃KO、怪我……波乱の1年を経て。
堀口恭司が描く2020年のストーリー。

posted2020/01/28 08:00

 
衝撃KO、怪我……波乱の1年を経て。堀口恭司が描く2020年のストーリー。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

1990年10月12日、群馬県生まれ。30歳を迎える年に、再起を期す堀口。復帰戦は9月か。

text by

田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

 総合格闘家・堀口恭司にとって、2019年は波乱に満ちた年だった。6月14日に米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでダリオン・コールドウェルに勝利し、日本人初のBellator王者となる。しかし、その2カ月後、RIZIN.18で朝倉海にまさかのKO負け。大晦日のRIZIN.20で再戦が組まれるも、11月に右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷の手術を受けて欠場となってしまった。
 日本格闘技界のエースは2020年を、どのような年にしたいと考えているのか。練習拠点を置く米フロリダから帰国している堀口に、心境を聞いた。(聞き手:田中大貴)

――日本で新年を迎えた瞬間、どんなことを思いましたか。

 復活の年にしたいな、と。今までずっと戦い続けてきて、怪我をしたときは「やっちゃった」と思いましたけど、今では良い機会だと思っています。今年の後半に復活できれば、それも良いストーリーになるんじゃないかな。

――これまで、怪我からの復活を目指した経験はありますか。

 高校2年生のときに脛を骨折して、1年くらいリハビリしていたことがありました。プロになってからはないですね。

――「良い機会」だと思えるようになったのは、いつ頃からですか。

 怪我した直後は、RIZINの関係者やファンの方々に申し訳ないなという思いばかりでした。それでも少し経ったら、メンテナンスの時間にしようと思えるようになりました。こんなに練習も試合もしない期間は、今までなかったので。

――大晦日は解説席からRIZINを見て、新たな発見はありましたか。

 楽しんでいました。客観的に格闘技を見て、「ああ、お客さんはこういう感覚なんだ」と。傍から見ると面白い部分にたくさん気づけて、たとえば選手が入場するときのプロモーションがすごくいいなって。UFCとかほかの団体は、あそこまで時間をかけないんですよ。自分が入場するときは戦うことしか考えていなかったので気づきませんでしたけど、日本のいいところだなって。

「練習と試合のことで頭がいっぱいで」

――昨年11月に手術した膝は、いつから痛かったのでしょうか。

 去年の1月頃から痛くて、正座もできませんでした。でも、これまでも身体のほかの箇所は痛くてもやってこられたので、今回も行けるだろうと思っていたんです。

――昨年6月のコールドウェル戦も、痛みを我慢して戦っていたのでしょうか。

 試合中はアドレナリンも出ているので、痛くないんですよ。でも、終わって練習に戻ると、痛いなって。

――検査は受けなかったのですか。

 試合もコンスタントに組んでいましたし、練習と試合のことで頭がいっぱいで、検査しているヒマがなかったというか……。

――昨年は2カ月に1試合のハイペースで試合を組んでいましたが、それが身体への負担になったとは考えられませんか。

 試合もそうですけど、アメリカと日本の行き来も負担だったのかなと。でも、あのペースで試合をしてみないとわからないこともあったので、良い経験だったと思っています。

【次ページ】 朝倉海に食らったカウンター。

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