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衝撃KO、怪我……波乱の1年を経て。
堀口恭司が描く2020年のストーリー。
posted2020/01/28 08:00
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Asami Enomoto
日本格闘技界のエースは2020年を、どのような年にしたいと考えているのか。練習拠点を置く米フロリダから帰国している堀口に、心境を聞いた。(聞き手:田中大貴)
――日本で新年を迎えた瞬間、どんなことを思いましたか。
復活の年にしたいな、と。今までずっと戦い続けてきて、怪我をしたときは「やっちゃった」と思いましたけど、今では良い機会だと思っています。今年の後半に復活できれば、それも良いストーリーになるんじゃないかな。
――これまで、怪我からの復活を目指した経験はありますか。
高校2年生のときに脛を骨折して、1年くらいリハビリしていたことがありました。プロになってからはないですね。
――「良い機会」だと思えるようになったのは、いつ頃からですか。
怪我した直後は、RIZINの関係者やファンの方々に申し訳ないなという思いばかりでした。それでも少し経ったら、メンテナンスの時間にしようと思えるようになりました。こんなに練習も試合もしない期間は、今までなかったので。
――大晦日は解説席からRIZINを見て、新たな発見はありましたか。
楽しんでいました。客観的に格闘技を見て、「ああ、お客さんはこういう感覚なんだ」と。傍から見ると面白い部分にたくさん気づけて、たとえば選手が入場するときのプロモーションがすごくいいなって。UFCとかほかの団体は、あそこまで時間をかけないんですよ。自分が入場するときは戦うことしか考えていなかったので気づきませんでしたけど、日本のいいところだなって。
「練習と試合のことで頭がいっぱいで」
――昨年11月に手術した膝は、いつから痛かったのでしょうか。
去年の1月頃から痛くて、正座もできませんでした。でも、これまでも身体のほかの箇所は痛くてもやってこられたので、今回も行けるだろうと思っていたんです。
――昨年6月のコールドウェル戦も、痛みを我慢して戦っていたのでしょうか。
試合中はアドレナリンも出ているので、痛くないんですよ。でも、終わって練習に戻ると、痛いなって。
――検査は受けなかったのですか。
試合もコンスタントに組んでいましたし、練習と試合のことで頭がいっぱいで、検査しているヒマがなかったというか……。
――昨年は2カ月に1試合のハイペースで試合を組んでいましたが、それが身体への負担になったとは考えられませんか。
試合もそうですけど、アメリカと日本の行き来も負担だったのかなと。でも、あのペースで試合をしてみないとわからないこともあったので、良い経験だったと思っています。