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「イメージとしては軽くはない」堀口恭司インタビュー 因縁の朝倉海へ秘める闘志、格闘家の醍醐味って?
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byCoCoKARAnext
posted2020/11/19 11:01
アメリカでリハビリとトレーニングを続けてきた堀口恭司。1年4カ月ぶりとなるリングでどんな戦いを見せるのか
「何と言われようが今は向こうが上」
――この大晦日に朝倉海とのダイレクトリマッチするということをイメージしながら1年以上の時間を過ごしてきたと思います。これだけ1人の対戦相手のことを考える期間が長かったのは初めてじゃないですか。
ここまで空いたのはないので、長かったですね(笑)。でも、そこまでは(朝倉ばかりを)考えていたわけじゃないですけどね。まずは自分のこと。足をどうやって治していこうとか、どうやって普通に持っていこうかなとか。
――会見はリモートでの参加でしたが、久しぶりに朝倉選手の顔を見てどう思いましたか。
ちっちゃい画面だったから、全然わかんない。別に興味がないので見たくもないじゃないですか(笑)。
――朝倉選手のコメントに感じることはありました?
回線が悪くてあんまり聞こえなかったんですよね。記者さんの質問も。まあまあ、別に何と言われても、見てろよって感じじゃないですかね。自分は1回負けているので、なんと言われようが今は向こうが上。それはしょうがないかなと思ってます。
――今年の大晦日の戦いは格闘家・堀口恭司の人生においてどういう立ち位置になりますか。リスタートなのか、そもそもそんなことは考えていないのか。
位置づけですか。あんまり考えたことないですね。うーん、とにかく一番はやっぱりみんなと一緒に喜びたい。それだけなんですよ。いつも応援してくれている方々とか、そういう人たちと勝って喜び合いたいなというのが一番です、ほんとに。
――それが総合格闘家としての醍醐味?
はっきり言って自分だけでやってたら、この仕事をやってないと思います。応援してくれている人がいるし、その人たちのために頑張ろうと思うので。自分はそう思ってやっています。みんなの喜ぶ顔を見たいですね。
元に戻るではなく、新たな変化
――以前にもインタビューさせていただきました。そこから新たにアップデートされて得たものや強くなれたと感じる部分はありますか。
膝が壊れて、最初は元通りに戻すということを目指していたんですけど、やっぱり元通りに戻ることってないと思うんですね。手術したてのときは感覚がなかったですが、感覚はすごく戻ってきました。だから、動かないなら動かないなりの、何か違うスタイルでもいいんじゃないかなと思っています。そういう開き直りでここまでやってきました。それがすごくうまくいっているという感じ。ファイトスタイル的にも(以前とは)ちょっと違うのかなとは思っていますけど。全部が変わるわけじゃないですけど、できないことはやらないという感じですね。
――良くなったことはありますか。
前回までは体がボロボロだったので、身体のケアの部分は大きいですね。身体がきれいになったというか。そういう感覚はもう長年なかったので(笑)。
――半月板損傷、膝の前十字靱帯損傷は、これまでもさまざまな競技のアスリートの方々が苦しみ、選手生命が断たれてきました。その辺りはどう思いますか?
そこまでは何も思わないんです。怪我したというだけであって。もしかしたら、アメリカで手術したのが良かったのかもしれないんですが、前十字の特別感は感じないですよ(笑)。(前十字を)怪我した人って復帰は難しいとか言うじゃないですか。でも、自分はそんなことないんじゃないかなとは思います。アホだからかな(笑)。