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アーモンドアイ、天皇賞・秋連覇への不安要素は? 国枝調教師に聞く「あとはルメちゃんに…」
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/10/30 17:06
昨年3月、ドバイターフ(GI)を単勝1.2倍の1番人気に応えて制したアーモンドアイ
2500mで力んでしまったことを考えると
2000メートルという点に話を戻そう。伯楽は「この距離なら多少の不利も挽回可能」と語った。実際、マイル戦の前走ではスタートでの遅れが最後まで響いて終わった感があるが、その発馬に関しての不安は払拭されているのだろうか?
「こればかりは正直、競馬へ行ってみないと分かりません。ただ、ゲート練習はいつもしているし、その段階では何も問題はありません」
ただ、更に距離の延びる2400メートル戦になれば、不利をカバー出来る可能性はより高まるのではないだろうか? ジャパンCやオークスで彼女が見せたパフォーマンスから、個人的には1マイル半がベストディスタンスなのでは? と思っているのだが……。
「その可能性は充分にあるでしょうね。ただ、2500メートルの有馬記念で力んで負けてしまったように、そのくらいの距離になると今度はいかにリラックスして走れるかがカギになってくると思います。そういう意味ではある程度、流れてくれる2000メートルの方がそういった心配をする必要がない分、良いかと思っています」
ルメールは「良い状態」と喜んでいた
その上で「もっとも今年に関しては……」と続けた。
「今年の天皇賞に関してはアエロリットもいないし、あまり流れが速くなりそうにありませんね。スローペースになりそうなので、前走みたいに出遅れると、また届かない可能性がないとは言い切れません。でも、そこは上手なジョッキーが乗ってくれるので、同じ轍を踏む事はないと考えています」
上手なジョッキー、とは言わずとしれたクリストフ・ルメール騎手。実際に1週前、そして最終追い切りと美浦で女王に跨った彼はどのような事をボスに告げたのか。国枝調教師は語る。
「1週前追い切りに乗った段階で『良い状態』と言って喜んでいました。最終追い切り後もニコニコしていたので手応えは掴んだみたいです」
ここまで伺った限り、順調そのもので何も不安はないと言う。