濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
朝倉未来ついに参戦!斎藤裕戦に「俺の相手じゃない」 大阪で電撃開催、RIZINフェザー級初代王座は…
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2020/10/24 11:02
榊原信行CEO(中央)を挟む、対戦が決まった朝倉未来(左)と斎藤裕。未来は落ち着いた姿勢と強気な言葉で質問に答えた
「格闘家とYouTuberとしての活動は別物」
8月大会は開催が発表されて早々にバックアップに回ると表明。ここでKO勝ちした斎藤との対戦機運が高まったが、9月も試合はなかった。昨年あたりから、未来は「いつ試合をするのか」ということまで含めて話題になっている。自身の存在が大きくなることで、自分にとってベストなタイミングで試合をする自由を手に入れたと言っていいだろう。
今回の斎藤戦は、大晦日に予定されていたカードの“繰り上げ”実施だが、それは受け入れている。榊原によると、未来とはこれまで「若干ギクシャクするところもあった」そうだ。ただ、たとえば9月に「地上波の生中継があるからどうしても」といった強引なオファーをしなかったことで関係は良好に。以前は主催者側の意向で階級を上げ、ライト級でも試合をしていたが、今の未来は単なる“使われる立場”ではない。榊原は、未来についてこんなことも言っている。
「YouTuberとしての彼の価値をリングに持ち込んだら、もしかすると今よりファイトマネーは高いかもしれない」
そうならないのは、未来が「格闘家とYouTuberとしての活動は別物」と一線を引いているからだ。リング上でもYouTubeでも戦略家だが、使う戦略はそれぞれで違う。そのどちらにも自信があるから「ここじゃない」と思えば試合を見送るし「ここだ」と思えば日程が繰り上がっても構わない。
「俺の相手じゃない」「競ってないでしょう」
会見でも未来は泰然自若、落ち着いた口ぶりで強気なコメントを連発した。
「ずっと追い込んできたので、凄く強くなった俺を見せられると思います。タイトルマッチはまあ、7戦全勝なので当然かなと。(ベルトは)俺がふさわしいと思うので俺が獲りにいきます」
対戦する斎藤のことは「率直に言うと俺の相手じゃない」と斬り捨てた。勝敗を分けるポイントはどこかと聞かれ、未来はこう答えている。
「勝敗を分けるというほど競(せ)ってないでしょう。圧倒的かどうかは分からないけど、競り合ってはいない」
このところ「練習は組み技が8割」だという未来。ストライカーのイメージが強いが、オールラウンダーとしての能力により磨きをかけている。曰く「(組む展開に)なった時に実感するんじゃないかと思います」。ただし「(その展開には)ならないと思いますけど」とも。つまり組む前に打撃で倒すということだ。