濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
朝倉未来ついに参戦!斎藤裕戦に「俺の相手じゃない」 大阪で電撃開催、RIZINフェザー級初代王座は…
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2020/10/24 11:02
榊原信行CEO(中央)を挟む、対戦が決まった朝倉未来(左)と斎藤裕。未来は落ち着いた姿勢と強気な言葉で質問に答えた
“兄弟王者”が誕生するかどうかは…
弟の海は8月にバンタム級のベルトを巻いており、“兄弟王者”が誕生するかどうかも注目されそうだが、本人は意識していないという。
「それよりもベルトの価値を高めたいですね。今回、勝って得るベルトの価値はそんなに高くないと思うので。海外の強豪に勝ってベルトの価値を高めたい」
決して斎藤のことをナメてかかっているわけではない。ただ状況を冷静に分析し、そのまま言葉にするとこうなる。リング上でもYouTubeでもない記者会見の舞台もまた“未来劇場”だった。
さらに未来は「ケガがなければ大晦日も出て盛り上げたい」と語った。ここぞという時であれば連戦も厭わない。それが“格闘家・朝倉未来”のスタンスなのだろう。
外国勢の来日は“隔離期間”のケアが重要に
その大晦日も“コロナ対応”がポイントになりそうだ。一つは収容上限5000人の解除。現在、RIZIN側は会場であるさいたまスーパーアリーナに、最大級の使用形式である「スタジアムバージョン」の半分、観客数1万8000人で交渉しているという。もしそれが不可能なら、12月30日、31日の2デイズ開催も視野に入れている。
また年末には外国勢の来日も可能だと見込んでいるが、アメリカ在住の堀口恭司も含め2週間の“隔離期間”のケアも重要になる。単純に試合の2週間前に日本に来ればいいというわけではない。選手にとっては試合に向けた追い込み練習、減量と調整をするデリケートな期間だ。
PCR検査の結果を受けて“隔離期間”を短縮することはできないか。あるいは開催条件を緩和できないか。RIZINは元プロレスラーの衆議院議員・馳浩や関係官庁との話し合いを持ったという。元総合格闘家、現参議院議員の須藤元気が立ち上げた「格闘技振興議員連盟」への期待も大きいと榊原。
これまでがそうだったように、これからもしばらくは大会ごとに開催/観戦環境が変わっていくことになるだろう。選手は状況に左右されず実力を出し切ることが重要になる。そういう時期だからこそ、会見で見せた未来の落ち着きと自信がより深い印象を残したのだった。