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コントレイル、菊花賞での無敗三冠達成は当確? 武豊が語っていた“父”ディープインパクトへの不安

posted2020/10/24 17:02

 
コントレイル、菊花賞での無敗三冠達成は当確? 武豊が語っていた“父”ディープインパクトへの不安<Number Web> photograph by Kyodo News

無敗での3冠達成へ調整するコントレイル。父が成し遂げた偉業を再現できるか

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 今年、2020年の秋は、競馬史に残る特別なシーズンになろうとしている。

 先週、デアリングタクトが史上初となる無敗の牝馬三冠制覇を達成。そして今週、コントレイル(牡3歳、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)が、史上3頭目となる無敗のクラシック三冠制覇に挑む。牝牡の無敗三冠制覇が同一年に達成されると、これも史上初の快挙となる。

 歴史的一戦になろうとしているのは、第81回菊花賞(10月25日、京都芝外回り3000m、3歳GI)。

 コントレイルは出走馬18頭のうち、内目の2枠3番を引いた。主戦騎手の福永祐一も話しているように、スタートしてからすぐコーナーがあるので、物理的に内が有利なのは間違いない。現に、過去10年の勝ち馬のうち7頭が6番枠より内からスタートしている。

 また、矢作調教師は「この馬は基本的にスタートが速い」と話している。ゲートのなかでおとなしく、余計な動きをしないので、先入れの奇数番でも問題ない。

 もっと言うと、この馬なら大外枠を引いても問題なかっただろうが、勝利の確率が、この「好枠」によって、さらに高まったということだ。

コントレイルの優れている点を端的に…

 コントレイルが競走馬として優れているところに関する説明は不要かもしれないが、極力端的にまとめたい。

 まずは、操縦性のよさ。序盤でポジションを取りに行っても掛からないし、鞍上の指示に対する反応が鋭いので、狭くなりそうなところからすぐ抜け出せる。これは父ディープインパクトにはなかったところだ。どっちが強いという意味ではなく、ディープの場合、道中で動くとそのまま最後まで突っ走ってしまいかねない危うさがあり、けっして乗りやすい馬ではなかった。

 そして、コントレイルの素晴らしさとして陣営が口を揃えるのは、オンとオフの切り換えだ。馬房にいるときは体を横にして寝ていることが多く、横に人が来ても構わず寝つづけているという。図太いことに加え、人と馬との関係を理解し、人を信用しているのだろう。対照的に、レースに向けて強い調教をすると自分でカイバの量を控えて戦闘態勢を整え、走りに集中しようとする。

 ゴール前で抜け出したとき、全力疾走をやめようとするのもこの切り換え能力が高すぎるからだろう。

 取材慣れしているので、近くに複数のカメラが来ても平然としている。中間を過ごす大山ヒルズでオフになっているときは、一見して厩舎関係者ではない人間にも鼻先を撫でさせるし、周りに誰がいようと、調教前にネコのように前脚を伸ばすルーティンのストレッチを披露する。

 普段はおとなしくて扱いやすく、戦いのときだけファイターになる。そして何より、競走能力がとてつもなく高い。理想的なサラブレッドである。

 【次ページ】 体重が増えないコントレイルは成長に乏しい?

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