ラグビーPRESSBACK NUMBER
26歳でスーパーラグビー挑戦 「失敗だらけ、挫折だらけ」の姫野和樹が明かす“かなえたい夢”
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byNaoya Sanuki
posted2020/10/23 17:03
スーパーラグビー(SR)のハイランダーズ(ニュージーランド)でプレーすることになった姫野和樹
南アフリカに負けたというのはもちろんあって、あの試合までコンディションを維持できなかった。あれだけレベルの高いゲームを1週間おきにこなしていくのは初めての体験だったので、満身創痍の部分もあったし、自分のプレーが全然できなかった。スーパーラグビーというレベルの高いリーグで、毎週、毎週戦うことでタフになれるというのは、大きなメリットになるんじゃないかなと思います」
2019年のワールドカップにおける日本は、開催国ということで試合日程に恵まれた。2023年はホームの利を得られない。大会5試合目となる準々決勝でも疲弊しないフィジカルを獲得することは、ベスト8の壁を越えるためにも必要なのだろう。
ポジションへのこだわりはない。昨年のワールドカップではNO8に加えてフランカーでもプレーしたが、「試合に出ることが第一ですね」と力みなく語る。
「SRはすごくレベルが高いし、自分が持っていないものを持っている選手が多い。ロックでも、フランカーでも、まずは試合に出ることが大事だと思っています。プレーだけでなく自分のパッションやリーダーシップを発揮して、チームを引っ張っていける存在にもなっていきたいですね」
海外挑戦に踏み切った“もう1つの理由”
新天地に飛び込む姫野には、力強い存在がいる。日本代表のアタックコーチ・トニー・ブラウンが、ハイランダーズのヘッドコーチ(HC)に就任したのだ。
「自分を良く知ってもらっているし、僕に足りないものも知ってくれていると思う。足りないものをより伸ばすところでは、僕のことを知っている人がいるのはすごく大きいと思います」
日本代表のジェイミー・ジョセフHCにも背中を押された。
「ジェイミーも海外へ挑戦するのはすごく大事で、日本代表のHCとしては今シーズンに行ってほしいと言われました。来年からは日本代表の活動が多くなりますし、僕としても(22年1月には)新リーグが始まるので、今年がチャンスだなと」