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26歳でスーパーラグビー挑戦 「失敗だらけ、挫折だらけ」の姫野和樹が明かす“かなえたい夢”
posted2020/10/23 17:03
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Naoya Sanuki
ずっと温めてきた夢の実現に向かって、姫野和樹が動き出した。
昨年のラグビーワールドカップで日本代表の躍進を支えた26歳が、スーパーラグビー(SR)のハイランダーズ(ニュージーランド)でプレーすることになったのだ。来年1月から6月までの開催を見込むリーグに合わせ、国内で調整を続けながら年内には現地へ発つことになる。
海外のトップ選手が来ても……
所属するトヨタ自動車ヴェルブリッツでは、2017年の入団1年目からキャプテンを務めてきた。現在は自分より若い選手が増えたチームを牽引する立場だ。トヨタのスタッフからは、当然のことながら慰留された。トヨタに居ながら、世界のトップレベルを体感することもできた。
昨シーズンからワールドカップ3度出場の元ニュージーランド代表キアラン・リードが在籍しており、来年1月開幕の新シーズンはオーストラリア代表キャプテンのマイケル・フーパーがやってくる。彼らとポジションが重なる姫野には、最高の教材と言っていい。
「フーパーは僕のなかで大きな存在で、彼から学ぶことも多い。リードもいる。そういう選手から学べることもなかなかないし、海外へ行くチャンスはまだまだあるよと、トヨタの首脳陣からは言われました。たしかに、チームにステイすることもプラスになるのですごく悩みました。けれど、色々なことを考えると、やっぱり海外へ出ることのほうが大きなものを得られるんじゃないかと思って決断しました」
ベスト8の壁を超えるために
トヨタではチームに欠かせない大黒柱でも、ハイランダーズではゼロからアピールをしなければならない。チーム内のハイレベルなポジション争いを勝ち抜いても、リーグ戦ではニュージーランドや南アフリカらの代表クラスが待ち受ける。「居心地のいい日本を離れて、またイチからハングリーにプレーする環境」があるのだ。その先に姫野は、さらにパワーアップした自分を思い浮かべる。
「海外へ行きたいという思いは以前からありましたが、昨年のワールドカップという舞台を経てから、その思いはさらに強くなりました。