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巨人・原辰徳監督「手遅れは最大の愚策だと思っている」阿部慎之助を巡る批判を恐れぬ決断の日
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKYODO
posted2020/10/29 11:02
2015年、原監督は捕手では使わないと言っていた阿部を、一転して4月3日から捕手で起用した。勝つためなら“君子豹変”を厭わない
26歳という若さで阿部慎之助から大役を継ぐ
<名言2>
「日本一になってから、バトンを譲ろうじゃないか」
(原辰徳/1005号 2020年6月18日発売)
◇解説◇
巨人・坂本勇人がキャプテンを任されたのは、リーグ3連覇を果たした2014年のオフのことだった。
26歳という若さで、しかも阿部慎之助の跡を継ぐ大役だった。
戸惑いながらもそのプレーでチームを牽引してきたが「どうやったらチームがチームが勝てるんだろうと、ずっと考えながらやってきたけど、やっぱり答えは見つからなかった」と、まだ明確な正解にはたどり着いていない。
まだ目標の日本一を達成していない
主将として迎えた5年目の2019年、初めてリーグ優勝の美酒を味わった坂本は、その座を後輩に渡すつもりでいた。ところが、それにストップをかけたのが原監督だった。
期待に応え、原第3次政権の1年目で優勝という結果を残した。だが、まだ目標の日本一を達成していない。原は坂本に日本一になるまでその任務を全うさせる決断を下した。
大きな期待を背負って巨人へ入団した坂本も今年の12月で32歳。通算2000本安打という大台も迫っている。自身の集大成として日本一へ懸ける思いは強いはずだ。
それを一番願っているのは指揮官・原辰徳なのかもしれない。