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右肩脱臼に曲間違い…本田真凜を支えた“兄妹愛” 太一、望結、紗来もそれぞれの戦いへ
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byTakao Fujita
posted2020/10/14 17:00
東京選手権に出場した本田真凜(左)と望結。11月5日から山梨県で行われる東日本選手権で再び同じ舞台に立つ
「『失格です』と言われるんだなと覚悟しました」
ホッとした笑みを見せる。キス&クライで得点を待ったが、異例の事態に、得点が出るまでに時間がかかった。
「点数がなかなか出なくて、『失格です』と言われるんだなと覚悟しました。点数が出た時は嬉しかったです」
得点は総合140.95点で7位。奇跡的な本番力で、東日本へと勝ち進んだ。
演技後、真凜は「まだドキドキしてます」と苦笑いしながらZoomインタビューに登場した。ことの経緯を、面白いハプニングというノリで話す。
「東日本選手権は、まず正しい曲で滑ることが目標。あとは怪我を治すことです」
その精神力は、真凜の一番の強みだろう。姉の演技を見た望結も、姉の笑顔をみてホッとした様子だ。
「お姉ちゃんは衣装を忘れたり、ハプニングがあるほうが、お姉ちゃんらしく滑ってくれますね。次の試合でまた、一緒に戦えるのが嬉しいです」
近畿選手権と東京選手権。兄と3人の妹は、お互いを思いやり、励まし合い、一歩を記した。4人の誰が欠けても、前に進めなかっただろう。兄妹愛のパワーにちょっと羨ましくなるような、そんな2つの試合だった。
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