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1つ1つ、着実に…三原舞依が1年半ぶりに実戦リンク復帰「すごく、ただいまという感じです」

posted2020/10/12 17:00

 
1つ1つ、着実に…三原舞依が1年半ぶりに実戦リンク復帰「すごく、ただいまという感じです」<Number Web> photograph by Kiyoshi Sakamoto

566日ぶりの競技会復帰となった三原。2017年には四大陸選手権を制している

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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Kiyoshi Sakamoto

 その瞬間、ささやかな、でもはっきりとした温かさの輪郭を持つ拍手が起きた。

 10月2日から4日にかけて行なわれたフィギュアスケートの近畿選手権。無観客で実施された大会の中、演技を終えた三原舞依に対する関係者の拍手は、心からの祝福であるようだった。

 昨シーズン、体調不良によりシーズンを通じて欠場。1年半ぶりの実戦だった。

「絶対できる。最後まで笑顔で」

 3日のショートプログラム、中野園子コーチに背中を押されて送り出される。

フリーはローリー・ニコルによる振り付け

 曲は『イッツ・マジック』。冒頭のトリプルルッツ-ダブルトウループ、2つ目のジャンプのダブルアクセルを着氷。トリプルループは乱れもあったが、こらえた。

 演技を終えた三原は、笑顔だった。

 得点は59.69点。3位で臨んだ翌日のフリーは、ローリー・ニコルによる振り付けの『フェアリー・オブ・ザ・フォレスト&ギャラクシー』。昨シーズンのために準備していたプログラムだ。三原が憧れる浅田真央の数々の振り付けでも知られるローリー・ニコルだけに、三原も思い入れは強い。

 ピンクのショートとは一転、緑の衣装をまとう。

 冒頭のトリプルルッツ-ダブルトウループ-ダブルループを着氷。続くダブルアクセルも着氷。

 トリプルフリップの着氷が乱れるなどはしたが、目を惹いたのは、伸びやかなスケーティングと力強さも感じさせる滑りだった。

 フリーは113.69点、合計173.38点。総合3位で、復帰戦を飾った。

【次ページ】 それでも、三原には支えがあった

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