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樋口新葉の3アクセル「応援のおかげ」 有観客のジャパンオープン、拍手に背中を押されて 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph bySunao Noto

posted2020/10/11 11:02

樋口新葉の3アクセル「応援のおかげ」 有観客のジャパンオープン、拍手に背中を押されて<Number Web> photograph by Sunao Noto

演技を終え観客の声援に手をふって応える山本草太。山本や樋口らのチームブルーが勝利して大会を終えた

NHK杯には豪華メンバーが揃う

 参加した10人の選手だれもが「お客さんの応援があったから」という言葉を口にした。転んだ時は励ましの拍手に救われ、成功したときは賞賛の拍手でテンションがさらに上がる。その存在の大きさを、今季すでに無観客のショーや試合を経験したからこそ、痛感している様子だった。

 すでにプロ野球やJリーグでは5000人超の観客動員を始めており、10月2日に開幕したBリーグも1000人超えの動員を記録した。

 フィギュアスケートも、すでにNHK杯(11月27~29日、大阪)を有観客で行うことが決定している。

 豪華メンバーが揃う試合とあって、チケット完売は必須。通常よりもキャパシティを抑えての運営となることが予想されるが、盛り上がることは間違いないだろう。

 選手にとって、ファンの応援は大きな力になる。そしてファンにとっても、スケート場の独特の湿った空気を胸に吸い込んだ時に胸が高鳴り、演技のスピード感や風を肌で感じ、ジャンプの着氷で響くドーンという音を聞き、そして自分の拍手が選手の耳に届いているのだという嬉しさを感じる――。

 スポーツの生観戦でしか得られない五感の喜びは、代えがたいものがある。

 コロナ禍後、「フィギュアスケートで初の有観客」という緊張感あるイベントを運営した関係者の方々に感謝するとともに、この経験を10人の選手が成長へと繋げてくれることを期待したい。

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