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樋口新葉の3アクセル「応援のおかげ」 有観客のジャパンオープン、拍手に背中を押されて
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph bySunao Noto
posted2020/10/11 11:02
演技を終え観客の声援に手をふって応える山本草太。山本や樋口らのチームブルーが勝利して大会を終えた
昨季の全日本選手権で引退した佐藤洸彬が登場
トップバッターは18歳の本田ルーカス剛史。トリプルアクセルを2本入れたプログラムを、力強く演じた。参考記録ながら、自己ベストを更新する137.99点をマークすると、大きな拍手が起きた。
「トリプルアクセルが2本、質が良いものでは無かったですが入れることが出来ました」と笑顔を見せる。
続いて、昨季の全日本選手権で引退した佐藤洸彬が登場。冒頭では4回転トウループに挑戦し、転倒したものの、そのあとは力強い演技で滑り切った。
「現役引退ぶりの演技を、こういうコロナの状況下の中、それでもスケートを見に来て頂いた大切なファンの前で出来たことが嬉しいです」
そういって、同じくさわやかな笑顔を見せた。
日野龍樹は『トゥルーマン・ショウ』を観客の前で初披露
また日野龍樹は、前日の会見で「今季か来季が最後」と話しており、集大成となるフリーのプログラム、映画『トゥルーマン・ショウ』を観客の前で初披露。4回転トウループに挑んだ。自分からもアイデアを出しながら作ったというステップシークエンスでは、感情を込めて大切そうに滑った。
「同じ中京大から出ている子が多かったし、とにかく全員を応援しました」といい、自分の演技後に、力一杯応援する姿も印象的だった。
男子のトリとなった山本草太は、4回転サルコウと2本の4回転トウループを入れたプログラム。ミスはあったが、スピード感や滑りの美しさで観客を取り込んだ。
「本当に久しぶりにお客さんの前で滑れて、楽しく演じることが出来ました。さいたまスーパーアリーナという、こんな大きな会場で滑る機会も少ないので、この経験は次に繋がると思います。4回転3本、綺麗には入れられなかったのですが、感覚は掴めてきました。もう少しスピードを出して思い切って着氷できれば良いと思います」と語った。