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いつも心にコービーが…レイカーズが継ぐ“強気”のレガシー、“ブラック・マンバ”ユニでは未だ無敗
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byKevin C. Cox/Getty Images
posted2020/10/06 11:02
“ブラック・マンバ”ユニフォームを着てプレーするレブロン・ジェームズ。レイカーズは着用4試合ですべてに勝利している
現役選手たちとコービーの絆
コービー・ブライアントの現役引退から4年がたち、今のレイカーズにはコービーの最後のシーズンのメンバーは残っていない。それでも、20年間、レイカーズ一筋だったコービーの痕跡はフランチャイズのあちこちに遺されていた。また、選手たちは個々にコービーとの繋がりがあった。
デイビスは2012年ロンドン五輪でチームメイトとなったことがきっかけでコービーと親しくなり、コービーはデイビスのメンターとなった。
ドワイト・ハワードは、2012-13シーズンにレイカーズでコービーのチームメイトだった。当時、コート上では決して相性がいいとは言えない2人だったが、コービーがアキレス腱を断裂したときには真っ先に見舞いに行った。再びレイカーズに戻ってきた今季、ハワードはコービーが亡くなる前から、シーズン通してコービーのシューズを履くと決めていたという。
カイル・クーズマが新人としてレイカーズに入ったのはコービーが引退した後だったが、子どものころからのアイドル、コービーの考え方や知識を知ろうと弟子入り志願し、何度もワークアウトや食事を共にしていた。コービーからは色々とアドバイスをもらっていたという。
コービーのレガシーを継ぐレブロン
レブロンは、リーグのスーパースターとしてコービーを追いかけ、競い、アメリカ代表ではチームメイトでもあり、レイカーズに移籍してからはコービーが残したレガシーを引き継いでいる。コービーが亡くなる前夜にキャリア通算得点でコービーの記録を抜き、コービーからツイッターで祝福のメッセージを送られた。
「バスケットボールをさらに前に進め続けてほしい」とあった。
レブロンは、今でも、コービーのことを考えない日はないという。24の番号がついたフィンガースリーブを着けるとき、コービーが20年間着た、レイカーズのパープル&ゴールドのユニフォームを着るとき、そのたびに、コービーのことを思い出している。
「パープル&ゴールドを身に着けるたびに、彼のレガシーについて考える。彼がこのフランチャイズにとって20年以上の間、どんな意味を持っていたのかを考える。コート上で、オフコートで、どんな存在だったのかを考える。チームメイトにどんなことを求め、彼自身に何を求めていたのかを考える」とレブロン。
自分と同じように負けず嫌いで、勝つため、頂点に立つための努力を惜しまなかったコービーを思い、そのコービーのレガシーを受け継ぐ覚悟でシーズンを戦っている。