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いつも心にコービーが…レイカーズが継ぐ“強気”のレガシー、“ブラック・マンバ”ユニでは未だ無敗
posted2020/10/06 11:02
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Kevin C. Cox/Getty Images
ウェスタン・カンファレンス決勝ロサンゼルス・レイカーズ対デンバー・ナゲッツ第2戦、競り合いが続く第4Q半ばのタイムアウトで、レイカーズのヘッドコーチ、フランク・ボーゲルは、試合終盤に向けて、選手たちに勝つために必要なメンタリティを説いていた。
「この試合の勝敗を決めるのはオフェンスのスワッグ(強気)だ。自信を持ってプレーするんだ。そのユニフォームを着ているのだから、みんながビッグショット・メーカーだ」
この試合でレイカーズが着ていたのは、“ブラック・マンバ”ユニフォーム。故コービー・ブライアントが、現役引退後にチームの“シティ・エディション・ジャージー”としてデザインしたユニフォームだった。勝負どころで常に強気だったコービーのメンタルを思い出せという、ボーゲルHCのメッセージだった。
ボーゲルHCの予測通り、この試合の決着をつけたのはアンソニー・デイビスの“ビッグショット”だった。試合終了のブザーと同時に、逆転3ポイントシュートを沈めたのだ。歓喜のなかでデイビスは、「コービー!」と叫んでいた。
「このユニフォームで負けるわけにはいかないんだ」とデイビスは言った。
「1・2・3・マンバ!」
1月26日、コービー・ブライアントが娘のジアナや友人たちと共にヘリコプター事故で亡くなって以来、レイカーズはシーズンをコービーに捧げてきた。毎日、口に出して語るわけではなくても、彼らの心の隅には、常にコービーがいた。
たとえば、チームの円陣を解くときのフレーズは「1・2・3・マンバ!」。レブロン・ジェームズは指にコービーの背番号「24」が入ったスリーブをつけ、デイビスは足にブラック・マンバのタトゥーを入れている。コービーのシグニチャー・シューズを履くことで思いを表す選手やコーチも多い。レイカーズの今プレイオフでのスローガン、「伝説を残せ」はコービーのモットーからとった言葉だ。