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いつも心にコービーが…レイカーズが継ぐ“強気”のレガシー、“ブラック・マンバ”ユニでは未だ無敗
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byKevin C. Cox/Getty Images
posted2020/10/06 11:02
“ブラック・マンバ”ユニフォームを着てプレーするレブロン・ジェームズ。レイカーズは着用4試合ですべてに勝利している
チームの士気を高めた2分間の映像
プレイオフ前には、コービーがレイカーズにとってどんな存在だったかを示す2分間の映像をチームで見て士気を高めた。
「自分たちの前にどんな機会があるのか。コービーがどんなことを信じていたのか。そういうパワフルなメッセージだった」と、ボーゲルHCは明かした。
コービーの映像を作って選手たちに見せることを提案したのは、アシスタントコーチのライオネル・ホリンズと、コービーの元代理人で親友のロブ・ペリンカGMだったという。
「コービーを失って以来、私たちはずっと、彼が信じてきたことを体現しようと言ってきた。特にプレイオフを前にして、彼の思い出を忘れずに記憶にとどめていくことが大事だと思った」とボーゲルHCは語った。
“ブラック・マンバ”ユニフォームを着ることはそういった思いの表現のひとつだった。10月2日のNBAファイナル第2戦までに4試合で着用し、そのすべてで勝利をあげている。
最初に着たのは8月24日のプレイオフ1回戦、対ポートランド・トレイルブレイザーズ第4戦だった。コービーの誕生日(8月23日)の翌日で、コービーのユニフォーム番号、8と24にちなんでロサンゼルス市(レイカーズの本拠地)とオレンジ郡(コービーが住んでいた郡)で“コービー・ブライアント・デー”に制定された日だ。
レブロン「彼はこの建物にいる」
この試合で不思議なことがあった。第1Q半ば、レイカーズのケンタビオス・コールドウェル・ポープがファウルされながらシュートを決め、スコアボードが両チームの得点を表示した。
「24-8」
コービーの背番号と同じ得点だ。単なる偶然といえばそれまでだが、コービー・ブライアント・デーで、 “ブラック・マンバ”ユニフォームで戦った試合でのことだっただけに、特別だった。
試合中、この偶然に気づいた1人がレブロン・ジェームズだった。
「これはしるしに違いない。彼はこの建物にいる」
レブロンはそう思ったという。