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激怒サポーターから信頼得た? 本田圭佑とボタフォゴの評価一変
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFLO
posted2020/09/29 11:40
やや厳しい評価を受けていた本田圭佑だったが、コパ・ド・ブラジル4回戦でのプレーで信頼を得るに至ったようだ
快速FWがマルセイユに移籍してしまったが
とはいえ、ボタフォゴはリーグでは9月27日時点で1勝8分2敗(得点10、失点12)。異様なまでに引き分けが多く、暫定で20チーム中18位と降格圏に喘ぐ。
守備陣の踏ん張りで大崩れは避けているが、攻撃力が物足りない。その理由の一つはスピードがある選手が少ないことだが、9月25日、数少ない快速ウイングである18歳のルイス・エンリケが推定移籍金1200万ユーロ(約15億円)で酒井宏樹と長友佑都が在籍するマルセイユ(フランス)へ去ってしまった。
クラブは深刻な財政難で、給料支払いが2カ月ほど遅れており、シーズン中ながら選手の退団や移籍が相次ぐ。残っている選手も、いつまでモチベーションを保てるか不安が残る。
超過密日程で選手層の厚さが重要なポイントとなるだけに、チーム事情は相当に苦しい。
昨年、ボタフォゴはリーグ15位。本田が加入したからには、せめて昨年以上の成績を挙げたいところ。
本田もスーパーマンではないから、1人でチームを劇的に変えるのは難しい。しかしカイオは「日々、本田に多くのことを教えてもらっており、自分の成長を実感する」と語る。他の若手選手も、本田からポジショニングなどで指示を受け、組織的にプレーすることを学びつつあるようだ。
今後ボタフォゴがリーグで大きく順位を上げ、コパ・ド・ブラジルで勝ち進むため、本田には自身のプレーで貢献するのはもちろんだが、若手の成長を助け、チームの総合力を高める“指導者”としての役割が求められていると感じている。