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激怒サポーターから信頼得た? 本田圭佑とボタフォゴの評価一変
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFLO
posted2020/09/29 11:40
やや厳しい評価を受けていた本田圭佑だったが、コパ・ド・ブラジル4回戦でのプレーで信頼を得るに至ったようだ
前半途中で交代させられる試合も
ボタフォゴは劣勢となり、前半34分に失点。その後もピンチの連続だった。パウロ・アウトゥオリ監督は、42分に本田とカイオを同時に下げ、控えボランチ2枚を入れた。
若いカイオは顔を引きつらせ、本田も厳しい表情でピッチを後にした。
後半開始直後、ボタフォゴはバビが見事なミドルシュートを決めて追いつく。しかし、その後立て続けに失点し、終盤に1点を返したが2-3で敗れた。スコア以上の完敗だった。
この試合は、本田にとって幾重にもショックだったのではないか。
先発した試合で故障もしていないのに前半途中で交代させられたことは、17年目のキャリアで初めてだったかもしれない。
しかも、この試合は休養明けだった。
今季、ボタフォゴはリーグとコパ・ド・ブラジルを戦うが、新型コロナウイルスの感染拡大のためシーズンが約5カ月間中断された影響で、広大なブラジルを絶えず移動しながら中2日か中3日で試合をこなすという超過密日程。本田は年齢を考慮されて2試合出場したら1試合休んでおり、この試合は中7日だったのだが、早々と交代させられてしまった。
激怒サポが本拠地前で抗議活動
この敗戦で、ボタフォゴは5試合続けて勝てず(3分2敗)、降格圏に沈んだ。
サポーターは、この状況に激怒する。15日、約80人がホームスタジアムの前で抗議活動を行ない、アウトゥオリ監督と数人の選手を批判した。「もうこれ以上、無様な姿を見せたら許さない」という意思表示である。
ここから、ボタフォゴは17日にコパ・ド・ブラジル4回戦の第1レグでホームでバスコと、20日にブラジルリーグで強豪サントスと、23日にコパ・ド・ブラジル4回戦第2レグでアウェーでバスコと戦うことになっていた。
もし17日の試合に敗れようものならサポーターの不満が爆発し、監督解任と一部の選手の退団を要求しかねない。本田は、先発を外れる可能性もあった。