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激怒サポーターから信頼得た? 本田圭佑とボタフォゴの評価一変
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFLO
posted2020/09/29 11:40
やや厳しい評価を受けていた本田圭佑だったが、コパ・ド・ブラジル4回戦でのプレーで信頼を得るに至ったようだ
見違えるような出来を見せた90分間
しかし17日、本田はこれまで通りキャプテンマークを腕に巻き、カイオと共にダブルボランチを組んだ。
チームは、4日前の試合とはポジショニングと戦術を変えていた。トップと最終ラインの間隔が狭まり、しかも3バック中央のラファエル・フォルステールが状況に応じてアンカーの位置まで上がったので、本田は13日の試合よりも高い位置でプレーできた。またハイプレスが機能し、本田自身も積極的な守備と効果的な攻撃参加を見せた。
後半23分、GKからの超ロングスローをセンターサークル付近で受けると、反転してボールを前へ運び、右サイドのブルーノ・ナザリオへ展開。リターンを受けると、縦へ走るナザリオへ絶妙のスルーパスを通して相手守備陣を崩した。そして、ナザリオからのクロスをバビがCB2人に競り勝って頭で決めた。
終盤、本田は反則タックルを受けた際に両足が痙攣したが、最後までピッチに留まって奮闘。ボタフォゴは1-0で先勝した。
チームも本田も、13日の試合とは見違えるような出来だった。
宿敵サントスを蹴落として固めた信頼
アウトゥオリ監督は、23日の試合を見据えて20日のサントス戦はレギュラー4人を温存した。本田も先発を外れたが、後半途中から出場。終盤はピンチの連続だったが、辛うじて引き分けた。
そして23日、本田は17日と同様に高めの位置でプレー。時にはCFのすぐ後ろまで上がって連動したプレスを仕掛け、攻撃面でも少ないタッチで効果的なパスを繰り出すかと思えば、スペースがあればドリブル突破を図って相手に脅威を与えた。
後半32分には、ゴール前中央でFKを獲得。自ら左足で狙ったが、惜しくも外れた。終盤、左足首を捻って痛みに顔をゆがめたが、最後までプレーした。
ブラジルでは宿敵を蹴落とすと選手の士気が一気に上がり、地元メディアとサポーターからの評価も一変する。
バスコを倒してコパ・ド・ブラジルで勝ち上がり、チームは“危険水域”を脱したようだ。本田もこの2試合でMVP級の働きで、周囲からの信頼を固めた。