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「ライバルチームを弱体化させる選手獲得はしていない」バイエルン会長が明かす“PSGとの関係”
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byAlainMounic/L’Équipe
posted2020/09/23 08:00
常勝軍団バイエルンを率いる、カールハインツ・ルンメニゲ会長のロングインタビュー。
もちろんPSGがチャンピオンであるのに異存はないが、友人であるリヨンのジャンミシェル・オラス会長が、この決定の最大の犠牲者であることもよく理解している(註:7位でリーグを終えることになったリヨンは、24年ぶりにヨーロッパカップ戦出場権失った)」
バイエルンはコロナ禍をどう乗り切るのか
――リーグアンのあるクラブの会長が、中断期間中にドイツはどうしようとしているのかを電話で尋ねたと聞いていますが?
「イタリアやスペインからは電話がたくさんあった。イングランドからもあったがフランスからは1本もなかったよ」
――コロナ禍は、ヨーロッパサッカーの連帯感を高めましたか?
「経済的には、コロナ禍の影響が出るのはこの夏ではなく来季以降だろう。すべてのクラブが例外なく経済的損失を被る。その意味で来季が真のチャレンジとなる。その理由は、あとどれぐらいの間、無観客試合を続けねばならないのか誰にもわからないからだ。期間が長引けば長引くほど、チケット販売やスポンサー契約、マーチャンダイジング、テレビ放映権への影響が大きくなる」
――8月12~23日にリスボンで行われるCLのフォーマット(準々決勝と準決勝を一発勝負で戦う)をどう思いますか?
「UEFAはまず各国リーグが終了することを最優先に考えた。8月にCLを行うのは、サポーターにとってもまたサッカーを愛するヨーロッパのすべての人々にとっても素晴らしいことだ。日程がこれだけきついのだから、準々決勝と準決勝をひと試合で済ませるのは極めて合理的だ。これまでにないフォーマットで、新たな刺激が大会に加わるだろう」
――ならば移籍市場の期限をUEFAが10月5日まで延長したのはどうでしょうか?
「CL決勝の8月23日から市場がクローズするまでほぼ6週間という時間がある。CLに出場する選手たちが、余計なプレッシャーを感じることなく試合に集中できるのはとてもいいことだ。またすべてのリーグに平等に適用されるのも悪くない。すぐにコンセンサスが得られると私は楽観視していた」
――バイエルンはコロナ禍による損失をどう補填していくのでしょうか?
「まず節約する。今年の移籍市場は、昨年までと比べて静かなものになるだろう。ビッグクラブが大金を支払って、選手を獲得することに慎重になるからだ。供給が需要を上回り、バイエルンを含めたクラブの動きは消極的になるだろう。スタジアムがサポーターで埋め尽くされる日がいつになるか分からない現状では、その方向で動かざるを得ない」
――いつごろまでにアリアンツ・アレナにサポーターが戻って欲しいですか?