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史上初、秋のG1クライマックス大予想! 本命はオカダ・カズチカだが、気になる“執念の男”
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/09/18 08:00
前回優勝者の飯伏幸太。オカダ・カズチカ、ジェイ・ホワイトをはじめとする強敵との激闘を期待したい。
天下目前、内藤哲也の願いは
終盤に入った10月11日の名古屋の愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で予定されているIWGPヘビーとインターコンチネンタルの2冠王者・内藤哲也と前王者EVILの再戦も注目に値する。EVILの予期せぬ裏切りにあって、7月12日の大阪城ホールでEVILに王座を明け渡した内藤だったが、8月29日の神宮球場ではEVILから2冠を取り戻した。
早いタイミングでの王座奪回で気分を良くしている内藤だが、EVILの背後に潜んでいるディック東郷らの存在が気になる。ただ、内藤にも今しかできないプランがあるはずだ。
2冠王者のままG1を制覇すれば、またしても「史上初」ということになる。そうなれば、まさに内藤の天下だ。内藤は神宮球場で「デ・ハポン」をリング上で叫び、2本のベルトと共にきれいな打ち上げ花火を鑑賞することができた。内藤の願いは先送りになっている東京ドームでのファンとの「デ・ハポン」の大合唱だ。
大流血でも勝利の内藤に復讐を
本来なら、今年の1月5日にドームでの大合唱は完了していたはずだった。それを乱入によって阻止したのが、KENTAだった。それから内藤とKENTAは執拗な舌戦を繰り広げ、コロナ禍突入寸前の大阪城ホールで2月9日に対戦した。内藤はアクシデントによる大流血もなんのその、KENTAに勝利した。KENTAはその後、コロナ禍の深刻なアメリカで息をひそめていたが、G1に合わせて日本に戻って来た。いい具合に内藤はベルトを持っている。KENTAにとってはこのG1を含めて、復讐の絶好のチャンスだ。
昨年、KENTAは開幕から4連勝したが、G1の戦い方に慣れずに後半は勢いを失い脱落してしまった。でも今年は違うはずだ。冷静な分析ができるKENTAはG1という長丁場での生き残り術を十分に学習しただろうから。