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史上初、秋のG1クライマックス大予想! 本命はオカダ・カズチカだが、気になる“執念の男”
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/09/18 08:00
前回優勝者の飯伏幸太。オカダ・カズチカ、ジェイ・ホワイトをはじめとする強敵との激闘を期待したい。
飯伏、オカダの前に立ちはだかるのは……
9月23日の札幌・北海きたえーるでは、飯伏と前回の優勝を争ったジェイ・ホワイトとの対戦がある。ホワイトは、昨年は開幕3連敗からの連勝で優勝戦のリングにコマを進めたが、準優勝に甘んじた。外国人レスラーとして2人目の優勝者になるために、ホワイトは策を講じているだろう。ホワイトにとっては飯伏のヒザをどうやって防ぐかが勝敗の分かれ道になる。飯伏にとってはオカダ、ホワイトと続く戦いは大きな試練となる。
9月27日の神戸ワールド記念ホールで行われるオカダとホワイトの試合も、オカダにとっては重要なポイントだ。かつてホワイトは無冠になったオカダをさらに突き落とした実績がある。わざわざ時間をかけて来日したからには、その存在感をアピールしたいところだろう。ホワイトがこの沈黙の7カ月でどう変わったか、さらに巧妙でずるくなったホワイトが見てみたい。オカダは優勝と共に先のIWGP王座奪還を見据えて戦うことになる。想像もつかない展開が待っているかもしれない。季節が変わっても、それがG1だからだ。
ホワイトの不満と執念が燃え上がる
2018年、シングル初対決となった28回目のG1の開幕戦で、ホワイトはオカダに勝利した。その時ホワイトは「新しい新日本の顔になる」と宣言して、2019年1月4日にノンタイトルのドーム対決でもオカダを倒した。オカダにとっては屈辱的な敗戦だった。だが、同年4月6日のニューヨークMSG大会で行われたホワイトとのIWGP戦ではオカダが勝利して王者になっている。
第1コンテンダーだったはずのホワイトに再戦のチャンスは回ってこなかった。他の選手は王者の前に立つことでホワイトを跳び越すようにそれを実現させてきたが、ホワイトはそうしなかった。昨年は優勝戦で飯伏に敗れたため、G1のトロフィーもまだ手にしていない。不満や執念はそれをエネルギーに変えることができる。そんなホワイトの優勝の可能性は決して小さくないはずだ。