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大坂なおみ「正直、ちょっと楽しんで」全米決勝へ 隔離生活、激闘にもブレないハート
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2020/09/11 20:00
ブレイディとの2時間余りの激闘を制した大坂なおみ。2年ぶり2度目の頂点へ、時は来た。
第1セットでの凡ミスは4本だけ
第1セットは互いにサービスキープを譲らないまま、タイブレークで不意にミスが出始めたブレイディを大坂が圧倒。続く第2セットは、大坂は第8ゲームのサーブで30-40のピンチを迎える。
緊迫したラリーから恐れずウィナーを狙っていったフォアの逆クロスは、ほんのわずかにアウト。「ショットを決めにいけば、アンフォーストエラーが出るのはしょうがない」と言っていた大坂だが、実際には前の試合も凡ミスは少なく、この試合も第1セットで4本しかミスしていない。
しかし、よりによってこの場面で出たアンフォーストエラーが大きく響き、失セットにつながった。それでも攻める姿勢を貫いたところに、今大会の大坂の強さが表れていた。
「私があれくらい集中できているときは、2セットで試合を終わらせることが多いと思う。でも集中力は持続できた。正直なところ、ちょっと楽しんでた感じ。彼女のプレーのクオリティのおかげだった」
タフな相手の試合を楽しめるなら敵なし
ミスを引きずるどころか、タフな相手と試合が続くことを楽しめるならもう敵はいない。第3セット、ラブゲームのサービスキープでスタートした大坂が第4ゲームでこの日初めて握ったブレークポイントを生かして3-1とリードする。
さらに第6ゲームでのダブルのブレークポイントを握ったが、ここはブレイディが踏ん張り、3度のデュースの末にキープ。第9ゲーム、サービング・フォー・ザ・マッチを迎えた大坂は15-15からこの日初めてのダブルフォルトをおかすが、すぐにエースで取り戻すと、フォアの逆クロスのウィナーでマッチポイントを握る。最後はブレイディのリターンがネットにかかった。