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大坂なおみ「正直、ちょっと楽しんで」全米決勝へ 隔離生活、激闘にもブレないハート
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2020/09/11 20:00
ブレイディとの2時間余りの激闘を制した大坂なおみ。2年ぶり2度目の頂点へ、時は来た。
7枚のマスクをすべて見せきることに
そう、先々週もふたりは決勝で戦うはずだった。
しかし、左太股負傷による大坂の棄権で、アザレンカが戦わずしてトロフィーを掲げた。今のランキングは27位のアザレンカがこの隔離空間で際立つ好調を維持している背景には、3歳になった息子のレオ君の存在があるといわれる。ホテルではなくバブル内に家を借りて、そこに母親も呼び寄せて、家族三代でリラックスした時間を過ごせているのだ。
元王者アンディ・マリーは、「家を借りるのは桁外れに高かったから、僕はホテルにした」と言っていたが、もちろん大坂も家は借りている。そこにレオ君はいないが、心の支えはある。
人種差別問題を訴える7枚のマスクの存在、背負った人々の思いは確かに大きかった。試合数に合わせて準備したマスクを全て見せきるという目標を本当に達成するとは、ドラマでもなければなかなかこうはいかない。真のクライマックスはまだその先にある。