「ずっと決めていた臨戦過程」

　同じGIに4年連続で出るだけでも大変な事だが、17年の1着だけでなく、19年も2着に好走してみせた。ちなみに優勝した時が5番人気で、2着した昨年は12番人気での激走。人気薄でも侮れないタイプであるのもこの馬の魅力だ。

　さて、そんなセイウンコウセイだが、スプリンターズSの前の叩き台として、今週末のセントウルS（GII、芝1200メートル）に出走する。例年なら阪神競馬場で行われるこのレースだが、今年は京都競馬場の改修工事による日程の変更で、中京競馬場で開催される。指揮官が言うように、東京、中山よりもむしろ関西圏への遠征での好走歴が目立つこの馬にとって、高松宮記念と同じここは絶好の舞台と言えるだろう。上原調教師は言う。

「スプリンターズSの前にセントウルSを叩くのはずっと前から決めていた臨戦過程です。順調に来ましたよ」

意地の走りに期待したい

　9日の朝に敢行された最終追い切りはこの春のスプリングS（GII）のウイナー・ガロアクリークとの併せ馬。セントライト記念に出走を予定しているパートナーを相手に強めに追われると、1馬身ほど先着。ラスト1ハロンを12秒台半ばでまとめフィニッシュした。

「先週の少し重めに感じた追い切りを受け、気合を乗せた方が良いと思い、併せ馬にしました。ゴールラインを過ぎた後もしっかりと走っていたし、明らかに先週より良くなってきましたね」

　今年のセントウルSは短距離重賞を5勝しているダノンスマッシュに、前述のミスターメロディ、3歳の快速馬ビアンフェら好メンバーが揃う。しかし、師の言う通り最終追い切りで仕上がったとなればセイウンコウセイとてスプリント王の1頭だ。「まだまだ見限るのは早い！」という意地の走りを期待したい。