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まだまだ見限るのは早い! セントウルSはあの“古豪”が大暴れの予感

posted2020/09/11 07:00

 
まだまだ見限るのは早い! セントウルSはあの“古豪”が大暴れの予感<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

セントウルSは3戦ぶりに17年高松宮記念を制した幸英明とのタッグで臨む。(写真は20年高松宮記念)

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Satoshi Hiramatsu

 秋のGI戦線の幕開けとして行われるのがスプリンターズS(GI、中山競馬場、芝1200メートル)。

 今年は10月4日に開催される予定のこの短距離王決定戦には、現在のところ今春の安田記念(GI)でアーモンドアイを撃破したグランアレグリア(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)、高松宮記念(GI)を制し春のスプリントチャンピオンに輝いたモズスーパーフレア(牝5歳、栗東・音無秀孝厩舎)、昨年、その高松宮記念を勝っているミスターメロディ(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)、さらには昨年のJRA賞最優秀短距離馬に選定されたインディチャンプ(牡5歳、栗東・音無秀孝厩舎)ら多数のタイトルホルダーが出走を表明。錚々たるメンバーによるハイレベルな1戦になりそうだ。

 そんな中、虎視眈々と復活を期すGIホースがいる。

 セイウンコウセイ(牡7歳、美浦・上原博之厩舎)だ。

勝てていないけれど、立派な馬

 アドマイヤムーン産駒のこの古豪が高松宮記念(GI)を優勝したのは2017年。3年半も前の話だ。その後は重賞戦線で善戦する事はあったが、勝ち切ったのは翌18年の函館スプリントS(GIII)のみ。なかなか思うような結果を残せていない。これについて、管理する上原調教師は次のように語っている。

「GIホースになった事で斤量を背負うレースが多くなりました。また、そもそも東京と中山は成績が今一つという感じなので、それほど気にする必要はないと考えています」

 実際、今年に入ってからの4戦はシルクロードS(GIII)5着、高松宮記念(GI)7着、京王杯スプリングC(GII)5着、安田記念(GI)12着。掲示板に載るのが精一杯という感じに見えなくもないが、東京1600メートルの安田記念は別として、シルクロードSと高松宮記念、京王杯スプリングCは勝ち馬からそれぞれ0秒2、0秒4、0秒3と僅差。差のつきづらい短距離戦ではあるものの、いずれも着順ほど大きく負けていないと言って良い競馬だった。ここで再び上原調教師の弁。

「デビュー当初はソエに悩まされる事もあって順調に使う事すらままならない感じでした。でも、西山(茂行)オーナーが我慢してくださったので、慌てる事なくしっかりするまで待てました。そう出来た事で本格化した後は実に丈夫で、息長く使える馬になりました。確かに勝つのはなかなか難しいけど、それでも高松宮記念に4年連続で出走するなど、本当に丈夫で立派な馬です」

【次ページ】 「ずっと決めていた臨戦過程」

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