『将棋ウォーズ』で現在は1級。

　近年は「将棋観戦を楽しむファン」という「観る将」が市民権を得ているが、一般的に将棋ファンと聞いて思い浮かぶのは、やはり「将棋を指すファン」だろう。中村航輔も将棋を指すのが大好きである。

　対局はもっぱらオンライン。日本将棋連盟公認のアプリである『将棋ウォーズ』を利用し、現在の腕前は1級だ。スマホの故障で一度初期設定にリセットされ、30級からのスタートになったが、現在は1級にまで登りつめた。戦法は四間飛車を愛用し、最近は三間飛車にも挑戦中だ。

　3年前には柏レイソルのファン感謝イベントで中村太地七段と公開対局を行っている。サポーターにはもちろんのこと、チームの同僚たちにも将棋好きは知れ渡っている。

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「チームメートによく聞かれるのは、『将棋って何通り読むの？』ですね。いつも言うのは、『100手読みます……ただそれは1×100じゃなくて10×10だよ』って、そういう感じで説明するんですけど、あまりピンときていない（笑）。もっとうまい説明がないかなと思ってます」

「三丸くん、玉は囲わないバランス型」

　実は柏レイソルには、中村の将棋仲間がいる。今年サガン鳥栖からやってきた三丸拡だ。将棋ウォーズでの腕前は初段。なんと中村より上である。

「今年から入った三丸くん、強いんですよ。遠征などでもバスの移動中に将棋ウォーズで対戦するんですけど、なかなか勝てない。筑波大に一般入試で入っているので、頭がいいんでしょうね。自分はガッチリと守りたい派なんですが、三丸くんは玉は囲わないバランス型でやってくる。しかも新しい手に敏感なんですよ！　玉が△5二に上がったりして、打ち込むところがなくて……少し苦手ですね」

　補足すると、以前までの将棋界ではガッチリと守備を固めて王様を囲う堅さを重視する戦い方が主流だった。しかしコンピュータ将棋の影響もあり、現代は薄い守りでもバランスを取りながら進める戦い方がトレンドだ。

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