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ダルビッシュ、前田ら投手は絶好調! 秋山、筒香、「ルーキー打者」不調のワケは“7.23開幕”!?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKYODO
posted2020/09/06 08:00
開幕から快投を続けるダルビッシュ有。前半 戦で8戦7勝、50回を投げて防御率1.44と圧 巻の数字を残している。
日本人野手ルーキーイヤーの序盤戦打率。
この状況はルーキーである秋山、筒香には更に酷なものとなった。こんな数字がある。
大谷を含めた歴代日本人野手がルーキーイヤーで開幕から37試合を消化した時点での打率である。
イチロー.360、新庄剛志.282、松井秀喜.270、松井稼頭央.259、井口資仁.317、城島健司.270、
福留孝介.326、青木宣親250、大谷翔平.354、秋山翔吾1.96、筒香嘉智.182
(*田口壮、中村紀洋、岩村明憲、西岡剛はルーキーイヤーに故障や登録の関係上、同じ数字の比較ができないので省略)
個人差は随分とあるが、低迷するのは今年の秋山、筒香だけだ。日本で残してきた実績を考えれば、ふたりが先人たちに劣るわけはない。投手と野手が“用意ドン!”で始まった通常シーズンと今季との違いを表すひとつの例と言えるのではないだろうか。
21打席連続無安打、大谷翔平の焦り。
また、今季の短縮シーズンは更なる追い討ちもかける。
通常ならば、37試合の消化は5月上旬だ。シーズンは4カ月半以上を残し125試合もある。だが今季に関しては残りわずか23試合で3週間後には終了になってしまう。
時間のない事実が焦りを呼び、メンタルを保つことが難しくなる。その結果、打撃を微妙に狂わせて行く悪循環。8月23日に自己最長の21打席連続無安打を記録した際に大谷翔平はこんな言葉を残した。
「やることに集中できていないというか。打ちたい、打ちたいという気持ちが先行している状態だったと思います」
この環境下でも開幕から成績を残している打者はいる。言い訳にはできないが、大谷は二刀流でのスタートであり、秋山、筒香はルーキーだ。難しい環境でのスタートだったことは考慮していい。
まだ時間は残されている。大谷、秋山、筒香の3選手にとっては、ここまでの苦労が無駄になることはない。意志を強く持ち、経験を糧に技術を整え、結果を導き出して欲しい。投高打高へ向け、ストロング・フィニッシュを期待している。