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ポスト秋山翔吾を狙うライオンズの“1番”候補。22歳鈴木将平「なんとか食らいついていきたい」
posted2020/09/03 11:30
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
レギュラーを取る――。
今シーズンの開幕前、鈴木将平は誓いを立てた。
「レギュラーを取りたい」でも「レギュラーを取るのが目標」でもなく、「取る」と宣言したのには理由があった。
「今年は勝負の年だと思っていました。とにかく試合に出続けること。そして単に出場するだけではなく、チームにプラスになるような働きをすること。数字どうこうより、チームに貢献することを考えています」
勝負の年と語ったのには、入団以来、ずっと追いかけ続けてきた秋山翔吾の存在が関わっている。
長年、ライオンズの1番・センターは秋山の定位置だった。しかし、そんな秋山が今シーズンよりシンシナティ・レッズに移籍。外野のレギュラーポジションがひとつ、空いた。
2017年にドラフト4位で静岡高校から入団した鈴木にとって、秋山は憧れの人だった。入団した年こそウィンターリーグへの派遣で叶わなかったが、翌年には「一緒に自主トレーニングをさせてください」と秋山に頼み込み、門下生となった。
決めたことをやり切る、やり続ける。
鈴木は当時を振り返る。
「一緒に自主トレーニングをしたいと思ったのは、秋山さんがライオンズで一番ヒットを多く打っていた人だし、秋山さんの野球に対する姿勢を側で見ていたからです。プロ入り1年目、僕がファームにいたとき、秋山さんは一軍の試合後や試合前、いつも室内練習場に来てマシンで打ち込んでいました。どういう考え方で野球に取り組んでいるのか、近くで見てみたいと思ったんです」
合同自主トレーニングでは、砂浜を使った下半身強化のメニューなどに汗を流した。
「秋山さんはよく話をしてくれるかたなので、僕の方から聞かなくても、自分の経験談をたくさん話してくださいました。見習いたいと思ったのは、具体的な技術よりも、やはりメンタルです。決めたことをやり切るメンタル、そしてやり続けるメンタルを持っています。『疲れているから今日は練習をしない』とか『練習量を減らそう』という妥協が一切ない人です」
これがプロの姿だと思い知ったと振り返る。