JリーグPRESSBACK NUMBER
J一番の注目クラブは本当に攻撃的?
ギラヴァンツ北九州、快進撃の秘密。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byFAR EAST PRESS/AFLO
posted2020/08/31 20:00
小林伸二監督はスポーツダイレクターも兼任する総責任者として、クラブをJ3最下位より浮上させ、J2での躍進にまで導いた。
小林「違うことをやってみようと」
チームを率いる小林監督は、ギラヴァンツ北九州に就任2年目、2019年に前年度最下位からのJ3優勝を経て今季に至る。
元来、堅守速攻のチームを作ることで知られた。2009年、モンテディオ山形監督時に別の選手のインタビューで練習場を訪れたことがあるが、当時の番記者の方が「ずっと守備戦術の練習をしている印象。本当に好きなんだと思います」と話していた。
その後2012年から2017年まで、徳島ヴォルティス、清水エスパルスを率いたが、2018年の1年間は解説者生活を送った。そこで、あることを感じたのだという。
「J3やJ2の上位を見ていると、多くが守備を志向するサッカーをやっている。違うことをやってみようと思ったんです」(2019年のJ3優勝決定後の会見にて)
ここらにこのサッカーを紐解くヒントがある。
これ、“攻撃的”なのだろうか……。
今季の小林監督以下、選手がよく言う言葉からも別角度から照らし出せる。
「前線からのプレスが生命線」
この言葉には、ある前提がある。
「相手がボールを持っていること」
これ、“攻撃的”だろうか。相手のボールをどう奪うかが前提で、そこから事が始まるのだ。今のスタイルは、「守備好き」の小林監督がこういった処置を施したサッカーだともいえる。