GKではなく点取り屋での評価を。

　高澤がストライカーとして目覚めたのは中学の頃。小学生の頃はGKも兼務しており、柏レイソルのジュニアユースのセレクションには、フィールドとしては1次試験で落ちたが、GKは最終の5次まで残った過去がある。

　高澤はGKとして評価されたことより、ストライカーとして認められなかったことに悔しさを覚えた。ここからストライカーとして生きる道を志すのだが、試練の連続だった。高校は流通経済大学柏高、大学は流経大に進学するのだが、1、2年の頃は試合に出場できない日々が続く。

　レベルの高いチームでどん底から這い上がるためにガムシャラにトレーニングに励むのが常だが、高澤は違った。「シュートの練習は高校も大学も結構やったけど、他のひとと変わらないと思う」と話すように、人並みに練習はしたが試合で点を決めることだけを考えた。

　この頃から「与えられた試合で結果を出せば、次のチャンスをもらえる。FWは結果が全て」と思うようになった。もちろん最初は、上手くいかないケースの方が多く、ミスも少なくなかった。それでも、高澤の前向きな性格がストライカーとしての成長を促すことになる。

高くて強くて巧いストライカーに。

「入るときは入る。乗っているときは『こんなシュートでも入るんだ!?』ってことがある。逆に凄いシュートでもファインセーブに阻まれることもある」

　ミスはミスとして受け止めて反省するが、常にアグレッシブなスタンスを崩さない。悩むことはあるが考え過ぎない。その結果がレギュラー獲りにつながり、プロへの道を切り拓いた。

　高澤が目指すのは、高くて強くて巧い三拍子揃った王道のストライカーだ。

　荒削りだが身体的資質、能力に恵まれ、ポストもこなし、1トップでも2トップでもコンスタントにゴールを陥れる。

 昨季の終盤は周辺が騒がしかった。複数のクラブからの誘いがエージェントの元に届いた。「J2に昇格した群馬に残って実績を積むことが必要」と考えたが、「小さい頃からの夢だったJ1でプレーできるチャンスを逃したくない」と、出した結論は新天地での挑戦だった。

「ポジション争いが厳しいのは当然。僕は名もないし、一番下から這い上がるしかない。評価の基準は使われるかどうか。チャンスがあれば結果を出せる自信があるし、これまでのようにそのときに向けて準備するだけ」

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