高橋も「野球人生に生かしたい」。

　高橋は4打席の対戦を通じて「今回の対戦で多くのことを感じたので、野球人生に生かしていきたい」と語っている。1試合だけの戦いということで、いつも以上に相手をリスペクトして臨んだはず。その一戦で掴んだものは多かったに違いない。

　そして前川はもう1年、高校野球の舞台を経験できる。甲子園の夢を絶たれた現3年生の思いを背負い、「悔しい思いをした3年生の分も」と心に誓ってプレーするだろう。

　高橋と前川が口にした、未来に向けての言葉は意味合いが異なる。それでも交流試合という野球を通して、2人がマウンドとバッターボックスで得たものは大きかったはずだ。

　タイブレークの末の決着という熱戦も相まって、濃密な4打席の対決だった。