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フィギュア全日本強化合宿で見えた
鍵山優真、佐藤駿ら13人の決意。
posted2020/07/28 19:00
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Manabu Takahashi
フィギュアスケートの全日本強化合宿が7月20~23日、関空アリーナ(大阪府泉佐野市)で行われた。多くのトップ選手が参加し、新シーズンへの弾みにする恒例の合宿。今季はコロナウイルス対策を徹底しながら、それぞれの選手に成長の機会を与える4日間となった。
参加したのは、樋口新葉、坂本花織、鍵山優真、佐藤駿などシニアの強化選手ら13名。例年は約10人ごとにグループ分けされるが、今回はコロナウイルス対策として1グループ4~5人に減らし、広いリンクを贅沢に使って、のびのびと滑る姿が見られた。
樋口はトリプルアクセルに集中して取り組んでいた。
グループAは、樋口、川畑和愛、田中刑事、横井ゆは菜の4名。
なかでも樋口は、合宿中にトリプルアクセルを披露しようと、集中して取り組んでいた。報道公開されたセッション中にも、回転は十分だが着氷がグラつくというような、惜しいトリプルアクセルが何度もあった。
「去年はシーズンの最後の最後にプログラムに入れられた、という感じだったので、今季はシーズンに入る前から安定させて、シーズン最初からプログラムに入れたいです。降りてからステップアウトしないように耐えられるようになってきました」
昨季は全日本選手権で銀メダル。今季も、好調が期待される。
「世界選手権が中止になってからしばらくは、何の練習をしたらいいのか分からない時期がありました。今は、氷上練習は1~2時間減っていますが、陸トレなどでカバーして、良い練習が出来ています。まずは去年と同じように、自分が出来ることをしっかりやって、目標とする大会で結果を出したいです」
一方、昨季の全日本選手権3位の川畑は、新プログラム『黄昏のワルツ』のブラッシュアップに取り組んでいた。樋口豊コーチに師事していた同門の西野友毬が、2012-15年までの3シーズン使ったプログラムを、そのまま受け継ぐことになったのだ。西野の情緒ある演技も素敵だったが、川畑が滑ると、流れの美しさやスピード感のあるプログラムに生まれ変わった。
「カナダに振付に行く予定が出来なくなり、最初は去年と同じプログラムにするつもりでした。でも(今季のショートを依頼する予定だった)デイビッド・ウィルソンさんが以前に振り付けた西野さんのショートがあったので、新しい動きを学ぶという意味でもエキシビション用に練習してみようということになりました」