鍵山はショート、フリーともに新プログラムに。

　昨季の世界選手権は、カナダの現地まで行きながらも出場できなかったこともあり、今季は気持ちの持ち方に気を配る。

「世界選手権の中止が決まった瞬間に、ゆづ（羽生結弦）や（宇野）昌磨、小松原美里、木原龍一などチームジャパンのメンバーと連絡を取り合いました。皆で残念な気持ちを共有できましたが、日本に帰ってからかなり落ち込みました。モチベーションを失ったのがかなり大きかったので、今は気持ちを高めすぎずに、練習をしっかりするというのを心がけています」

　次に練習に現れたグループBは、鍵山、佐藤、須本光希、新田谷凜、三原舞依。何と言っても、鍵山と佐藤がお互いを意識しあいながら、4回転を交互に跳ぶ姿が印象的だった。

　まず鍵山は、ショート、フリーともに新プログラムに変え、それぞれジャンプをいれた曲掛け練習を披露。ショートはジャズの名曲『Take Five』、フリーは映画『もののけ姫』のサントラで、どちらも佐藤操の振付だ。

「ショートは、操先生からは『もうちょっと大人になってから使う方が良かったんじゃない』と言われましたが、大人っぽい演技をしたくて選びました。フリーは久石譲さんの曲が使いたくて決めました。力強い部分と切なく演じる部分を、うまく表情などを使い分けていきたいです」

関係者を驚かせた「4回転サルコウ＋3回転トウループ」。

　そして関係者を驚かせたのは、そのプログラムの完成度の高さだ。ショートの冒頭の「4回転サルコウ＋3回転トウループ」は、今季から導入するとは思えない、軽やかさとパワーの共存する美しいジャンプだ。4回転トウループ、トリプルアクセルも完ぺきで、ショートは7月の時点ですでにパーフェクトな演技に仕上げていた。またフリーは「4回転サルコウ2本、4回転トウループ1本」にする予定といい、こちらも高い精度を見せていた。

「今季は初めて（本格的に）シニアに上がるので、何事も恐れずどんどん挑戦していきたいです」と意欲を語った。

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