話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
部員6人なのにコンサドーレと提携。
クラーク高と伊藤壇の夢は3年でIH。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byShun Sato
posted2020/07/30 07:00
今はまだ豪華な設備に不釣り合いな人数だが、そのギャップは遠からず埋まることだろう。
理想の指導者像は、いいとこ取り。
22の国と地域でプレーし、様々な監督と仕事をしてきた伊藤監督に、理想の指導者像はあるのだろうか。
「誰みたいに、というのはないですね。もちろん青森山田高校の黒田(剛)監督の指導力は尊敬していますし、他にもすばらしい監督がたくさんいましたけど、僕はそういう人のいいところだけを拾って、オリジナリティのある監督になりたい。
日々の練習についても、いろんな人の練習方法や考え方をベースにしています。例えば、クロアチア人の監督は、『疲れたとか、失敗して終りではなく、集中して終わらせて明日の練習につなげなさい』と言っていました。僕もそうだなと思うので、練習の終わりにバー当てとかをして楽しいイメージで終わらせるようにしています」
しばらくは部員募集と少人数での練習がつづく。
初めて何かをする人には批判が集まる。
今年中には11名を揃えて、メンバーだけで試合をするのがひとつの目標だ。
「まずは人数を集めて大会に出て、1勝を挙げる。大きな目標としては2023年、北海道で開催されるインターハイへの出場です。もちろん高校選手権にも出たい。
そういう目標を掲げると『そんなに甘くないよ』とあちこちから言われますし、僕もそう思います。でも、目標がないと自分を奮い立たせていくことが難しいですし、生徒も目標がないと苦しいだけじゃつづかない。
僕が海外に出る時もそうでしたけど、何かを初めてやろうとすると批判的な声が上がります。それを黙らせるには結果しかないので、人一倍努力してやっていこうと思っています」