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2019-20ブンデス日本人総括。
遠藤航、原口元気、宮市亮編。
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2020/07/22 11:30
2部リーグ2位でシーズンを終え、1部リーグ復帰を決めたシュツットガルトの遠藤航。来シーズンにも期待が高まる。
宮市は「プロとして模範的」。
宮市亮は今季、大きな負傷をせずにシーズンを終えるという最大の目標はほぼ達成することができた。
第28節ハイデンハイム戦での競り合いで膝をぶつけて、「膝に水が少したまっている」(ヨス・ルフカイ監督)ため次節を欠場。第30節ボーフム戦では再び先発起用されたが、残り4試合は出場機会なしでシーズンを終えた。
それでもリーグ戦29試合出場はチームのフィールドプレーヤーで最多。ルフカイ監督は「リョウの調子は素晴らしくいい。プロとして模範的な選手だ。オフェンスにおいてスペシャルなクオリティを誇っている」と絶賛し、他のどの選手よりも重宝した。
一時期は右サイドバックでもプレーし、攻守両面でチームを助けた。2部リーグでは別次元のようなスピードを活かした突破はチームにとって大きな武器となり、チーム最多の7アシストをマークした。
膝の十字靱帯断裂の重傷により復帰さえ危ぶまれていた時期があっただけに、怪我への不安から解放されて、思いっきりプレーできた今季の喜びは大きかっただろう。
だからこそ、願うは次のステップだ。宮市は来季に向けてさらなるバージョンアップを図りたいと思っているに違いない。
「なんとかチームを勝たせたい」
あれは第22節ドレスデン戦でのこと。終了間際に絶好機を迎えた宮市だが、シュートは無情にもポスト直撃。試合は引き分けに終わってしまった。試合後にはミックスゾーンで悔しさをにじませながら、こんなことを話してくれていた。
「(シュートを外して悔しいというのは)怪我をしているときは感じられなかったことでもあって、試合に出続けているからこそこういう問題も出てくるのかなと。ポジティブに考えればそういうところもありますけど、やっぱり結果を出していかないといけないです。
これだけ試合で使ってもらえていますし、なんとかチームを勝たせたい。やっぱりこのチームにはすごくお世話になっていますし、僕が勝たせられる試合は何試合もあったので、そういうところを決めきっていかないと。次のステージへ、選手としてまた上に上がっていくにはそこが大事になってくると思います」