欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
久保建英が1年間で手に入れたもの。
立ち位置、間合い、瀬戸際の胆力。
posted2020/07/22 11:50
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph by
Mutsu Kawamori/AFLO
「TAKE」こと久保建英の初めての冒険が、日本時間7月20日早朝に幕を閉じた。
7月16日に行われたラ・リーガ第37節で、マジョルカはグラナダに1-2で敗れた。この時点で2部降格が決まってしまったため、久保は20日早朝キックオフの最終戦でスタメンを外れた。
6月13日の再開から10試合連続で、中断前も含めれば13試合連続で先発してきたのだ。それも、超過密日程でのフル稼働である。スタメンから外れたのは休養を与えられたと見るべきで、オサスナのホームに乗り込んだ最終節は59分から途中出場した。
日本人選手では1シーズン最多となるリーグ戦35試合に出場し、4得点をマークしたマジョルカでのパフォーマンスを、中西哲生氏に総括してもらおう。
名古屋グランパスと川崎フロンターレでプレーした氏は、バルセロナの下部組織に在籍当時から久保を知り、その成長プロセスを定期的かつ間近で見つめてきた。現在も継続的にコンタクトをとり、幅広くアドバイスをしている。
◇ ◇ ◇ ◇
マジョルカの残留のために、久保がどれほどのエネルギーを費やしていたのか。スタメンから外れた最終節のプレーを通して、再開後の奮闘ぶりを改めて理解することができました。
中2日から中5日で連戦を消化してきたため、このところの試合では終盤に疲れが滲んでいました。しかし、オサスナ戦では30分強の時間に、持てるエネルギーを注ぐことができた。キレのある動きを披露したと思います。
63分にはペナルティエリア右でパスを受け、ゴール前へ決定的なパスを通しました。詰めていたアンテ・ブディミールが反応すれば1点、という場面でしたが……。
85分にはシュートへ持ち込みました。右サイドからタテへ抜け出すプレーを増やしてきたことで、これからはカットインできる場面が増えてくるかもしれません。左足でのゴールが多くなっていくのでは、という期待を抱かせるシーンでした。