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クラッシュのフェルスタッペンが2位!
結果以上のものを得たハンガリーGP。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2020/07/20 11:40
メカニックとドライバーの見事な連携から生まれた望外の2位という結果。レッドブル・ホンダというチームの成熟がうかがえる。
メカニックが考えた逆転の秘策。
この走りにエンジニアも戦略で応えた。
トップはルイス・ハミルトン(メルセデス)で、2番手はランス・ストロール(レーシング・ポイント)。路面は急激に乾き出し、インターミディエイトタイヤからドライタイヤへ交換するための、最初のピットストップのタイミングがポイントとなった。
5秒以上離れたハミルトンにはかなわないが、1秒以内にいるストロールを逆転できるペースがあると踏んだレッドブルのエンジニアは、ストロールがピットインした3周目にフェルスタッペンを呼ばず、あえて1周遅くピットインさせて、逆転に成功した。
トラブルがあっても2位という自信へ。
その後、36周目に2度目のピットストップを難なくこなしたフェルスタッペンは、2位でチェッカーフラッグを受けた。土曜日の予選では絶不調の7位。そして、レーススタート直前に犯したミスでクラッシュしていたことを考えれば、この日の2位は望外の結果だった。
「この表彰台を僕のメカニックたちに捧げたい。2位は今日の僕たちにとっては、勝ちに等しい。メルセデスとの差はまだ大きく、彼らに勝つのは簡単ではないだろう。でも、今日のレースでメカニックたちがあきらめなかったように、僕も最後まで絶対にあきらめない」