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フリーでトップのレッドブル・ホンダ。
なぜ決勝でメルセデスの後塵を!?
posted2020/07/13 11:50
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
1年前のオーストリアGPで最も速く、そして輝いていたのは、レッドブル・ホンダだった。しかし、4カ月遅れの開幕戦となった今年のオーストリアGPで、レッドブル・ホンダは、まさかの2台そろってのリタイアに終わった。
そのオーストリアGPが行われたレッドブルリンクで、2週連続開催となったのが、第2戦シュタイアーマルクGPだ。
いきなりフェルスタッペンがトップタイムを!
2020年のF1は新型コロナウイルス感染症の影響で世界中を転戦するスケジュールが組めなかった。
ヨーロッパを中心にできるだけ移動を少なく、かつ開幕が遅れた分、過密した日程でレースを消化していかなければならず、同じサーキットで2週連続でF1を開催することになった。
ただし、オーストリアGPの名称は1年に1度しか使用できないため、2戦目はサーキットがある州の名前を取って「シュタイアーマルクGP」という名称が使用された。
開幕戦オーストリアGPで実力を出しきれずに終わったレッドブル・ホンダにとって、F1史上初となる同じサーキットでの連戦は、1週間前の借りを返す良いチャンスだった。
なぜなら、レースの舞台となるレッドブルリンクは、レッドブル・ホンダにとって得意としていたコースだったからだ。
それは、7月10日(金)に行われた第2戦シュタイアーマルクGP初日のフリー走行で、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがいきなりトップタイムを叩き出したことでもわかる。
開幕戦ではセットアップが決まらず、予選でメルセデスにコンマ5秒ほどの差をつけられたレッドブル・ホンダだが、この1週間の間に新しいパーツを投入し、セッティング面でも進化を見せていたのである。