スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
宿敵バルサファンが棺桶を用意!?
5度目降格エスパニョールの悲哀。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byGetty Images
posted2020/07/21 11:30
同都市のバルサ相手に2部降格を突き付けられたエスパニョール。1年でのプリメラ復帰を果たせるだろうか。
史上最高額の年間予算があったのに。
エスパニョールの今季は、悪い意味で記録尽くしのシーズンとなった。
最終節を待たずに降格が決まったのも、最下位でリーグを終えるのも、エイバル戦と続くバレンシア戦で記録したリーグ8連敗も、全てクラブ創立120年の歴史において初めての出来事である。
5勝10分23敗という成績は、16チーム30試合で行われた1968/69シーズンの8勝8分14敗をも下回る、クラブのワースト記録となってしまった。
信じがたいのはそれらの記録を打ち立てた今季、クラブが史上最高額の年間予算を有していたことだ。
「より強くなって戻ってくる」
関係者は口々にそう言うが、実際に今のままでは厳しいセグンダの昇格争いを勝ち抜くことはできないだろう。
過去4度の降格時、エスパニョールはいずれも1シーズンでプリメラ復帰を果たしている。彼らは来季、その伝統を維持することができるだろうか。
それとも、また1つ不名誉な「初」の記録を作ることになるのだろうか。