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神戸で思い出した野球観戦の快楽。
野球場は狂おしい程に自由なのだ。 

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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photograph byYasutaka Nakamizo

posted2020/07/18 10:00

神戸で思い出した野球観戦の快楽。野球場は狂おしい程に自由なのだ。<Number Web> photograph by Yasutaka Nakamizo

0人と5000人の差は、5000人と5万人の差よりもずっと大きい。そんなことにも気づかされる。

また野球場へ行ける時がくると願って。

 試合は4-9で巨人の敗戦。ヤクルトに0.5差にまで詰められたが、心からこの試合を球場で見られて良かったなと思った。3年前の春に沖縄から始まり、日本全国の球場を巡ってきた本遠征記も、ひとまず世の中の状況が落ち着くまで小休止することになった。

 三宮駅で、慣れない街で立ち食いソバをすする。明日のスタメンを妄想しながらひとりソバをすする。この瞬間は日常のすべてから自由だ。プロ野球は日常と非日常の境界線に存在する。それは儚く、危うく、狂おしいくらいに魅力的である。そう、いつだって野球に狂っていたいのである、俺らは。

 それじゃ、読者の皆さん、また会おう。お互い元気で、いつの日かぶらりと日本全国、いや世界中の野球場へ行ける時がくることを願って。

 See you baseball freak……

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