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トリニータの夏男&エンターテイナー
三平和司、2つの転機と得た妙技とは。 

text by

柚野真也

柚野真也Shinya Yuno

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/07/13 19:00

トリニータの夏男&エンターテイナー三平和司、2つの転機と得た妙技とは。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

フラッシュインタビューでの“弾けっぷり”が話題となった三平和司だが、ピッチ内で見せる実力も本物だ。

1度目の大分と、京都加入の転機。

 三平は神奈川大3年時から特別指定選手として湘南でプレーした。将来を嘱望されたストライカーは、2010年に湘南でプロキャリアをスタートしたが、出場機会を得られず'11年に大分に期限付き移籍。これがひとつ目の転機となった。

「どのポジションでもいい。試合に出たい」とサイドへのコンバートを快く聞き入れ、スピードと跳躍力を武器にアタッカーとしての才能を発揮しながら、得点力も向上した。セットプレーの得点源となり、逆サイドからのクロスに飛び込む得点パターンを確立し、'12年には2列目の選手ながら14得点を挙げ、J1昇格の立役者となった。

 ふたつ目の転機となったのが、'13年から所属した京都での経験だ。これまでは身体能力を武器にプレーしてきた三平が、パスの受け手から出し手に転換。「ボールを持つ時間も回数も増え、試合を組み立てる楽しさ、パスで(相手の守備を)崩す快感を得た」と言う。

 そして'15年に大分に復帰してからは、前線で試合を作り、決定機を演出し、自ら得点も奪うオールラウンダーとして立ち振る舞っている。「いろんな監督の下で、いろんなスタイルのサッカーを経験した。頭を使ってプレーすることを覚えて、サッカーが楽しくなった」と語る。

今季は“当たり年”でもある。

 片野坂知宏監督は、三平の優れた戦術眼やインテリジェンスのあるプレーを高く評価する。ボールを握ることを重視するなか、巧みなオフ・ザ・ボールの動きからスペースを生み出し、サイド攻撃を促しつつ、攻撃全体も活性化させている。

 攻撃において重要なアクセント役となる三平。再開後、好スタートを切った大分の快進撃は万能型のベテランに支えられていると言っても過言ではない。'16年にJ3で10得点、'18年にはJ2で10得点。隔年変動で2桁ゴールを記録する。今季は確率的には“当たり年”である。

「サポーターと一緒にゴールパフォーマンスすることが楽しみ」と語る三平が、あと9回ゴールパフォーマンスをした頃には、チームは今季の目標の6位以内を達成していることだろう。

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