レッドブルの野望を弾き飛ばしたハミルトン。

　残り10周でレースが再開されると、アルボンはすぐさまハミルトンの背後に迫り、オーバーテイクを仕掛ける。

　4コーナーでアウトからオーバーテイクしたかに見えたアルボンだったが、追い抜く際に自らのリアタイヤがハミルトンのフロントタイヤと接触し、弾き飛ばされてしまう。

　これで最後尾まで落ちたアルボンは、残り2周でパワーユニットの電気系とみられるトラブルに見舞われてリタイアした。

　接触後、スチュワード（審議委員）は、接触はハミルトンに非があったとして5秒のタイムペナルティを科したが、レッドブル側の怒りは収まらない。

　クリスチャン・ホーナー代表が「最近の3回のレースで、ルイスと接触するのは2度目だ（昨年のブラジルGPと今回）、今回は勝てるポジションにいたのに……」とハミルトンを非難すれば、普段は温厚なアルボンも「ついさっきの出来事だから発言には注意しなきゃいけないけど、すごく腹が立つということ以外に付け加えることは何もない。あのとき僕はコースの端ギリギリにいたから、あとは彼次第だった。そして、接触が起きた。ブラジルのときは非が50対50くらいだったかもしれないけど、今回はそうじゃない」と珍しく怒りを露わにした。

ハミルトンとボッタスの内戦も!?

　激しいバトルを繰り広げたのは、メルセデスとレッドブル・ホンダだけではなかった。1-2体制を築いていたメルセデスは、ボッタスとハミルトンの関係性について、最後までチーム内でバトルを演じていたのである。

　レース後、チームオーダーを出す予定はなかったのかとメディアから尋ねられたトト・ウォルフ代表は「その考えはまったくなかった」と、今後も2人のドライバーに自由にレースを行う権利を与えることを強調しなければならなかった。

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