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F1開幕へ向け飛び交う期待と不安。
ホンダとレッドブルはポジティブ?
posted2020/06/30 18:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
セッション開始3時間前の突然の開幕戦中止から112日。2020年のF1は南半球のオーストラリアからヨーロッパのオーストリアに舞台を移して、7月3日に開催される。
だが、再開される今シーズンのF1はこれまでとまったく同じではなく、新たな様式を採り入れてスタートを切る。
まず、開幕戦のオーストリアGPの翌週に、同じレッドブルリンクで2週連続のグランプリが開催される。3戦目のハンガリーGP後、8月に予定されているイギリスGPもシルバーストンで2週連続開催となる。
その国名が冠されたグランプリの名称は1年に1度しか使用できないため、オーストリアGPとイギリスGPは、2週目はそれぞれシュタイアーマルクGP(レッドブルリンクがあるオーストリアの州名)と70周年記念GP(シルバーストンは1950年に初めてF1世界選手権イベントを開催した地であり、今年はそれから70年目にあたるため)と名称を変えて開催される。
同じサーキットでの2週連続開催はF1史上初の試みだ。
中継映像も様変わりが予想される。
しかも、開幕3戦は感染拡大予防を目的として、無観客レースが決定しており、チームスタッフも通常より限定し、メディアは原則入場禁止の中で開催される。もちろん、これも初めて。
F1専属スタッフたちによって中継される映像にも、これまで見たことがない光景が映し出されるだろう。
なぜなら、国際自動車連盟(FIA)はサーキットでレースを行うスタッフに対して、可能な限りソーシャルディスタンスを守り、手袋やマスク、フェイスガードといった個人用保護具を着用することを推奨しているからだ。