「ありがとう、ずっと一緒にいてくれて」フェルスタッペンの感謝が物語る、最速ドライバーとホンダが互いを鍛えた7年152戦

　ドライバーズチャンピオンがかかった最終戦アブダビGP。58周のレースを制したのは、マックス・フェルスタッペン（レッドブル）だった。しかし、チャンピオンシップを争うランド・ノリス（マクラーレン）が3位に入ったため、フェルスタッペンの逆転王座は叶わず、2点差で選手権2位に終わった。

　トップでチェッカーフラッグを受けたフェルスタッペンは5連覇を逃した失意の中、無線で、ある仲間たちへ感謝を述べた。

「ホンダの皆さん、ありがとう。ずっと一緒にいてくれて、多くの成功を成し遂げることができた。素晴らしい形で終えることを誇りに思う。本当にありがとう」

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　この最終戦は、レッドブルが2019年からホンダの供給をうけてきたパワーユニット（PU）で戦う最後のレースであった。フェルスタッペンは7年間ともに戦ったパートナーへ深く感謝したのだ。

「これは決してお世辞ではなく、ホンダとの仕事は素晴らしいものだった。彼らには独自の運営方法とメンタリティがあって、それはヨーロッパの文化とは違うんだけれど、僕はそれをとても気に入っているんだ。来年から一緒にできなくなるのは寂しい」

王者に鍛えられたホンダ

　フェルスタッペンとホンダの共通点——それは勝つためにはチャレンジすることを厭わず、どんなことでもやるというNever give up精神だ。

　最終戦を前にしたカタールGPでもそれは貫かれていた。予選3位に終わったフェルスタッペンはエンジン（ICE）からの振動に悩まされていた。

共に戦って150戦目のラスベガスGPで、フェルスタッペンと勝利を祝う折原氏　©Masahiro Owari

　ホンダ・レーシング（以下ホンダ）の折原伸太郎（トラックサイドゼネラルマネージャー）はこう振り返る。

「予選の後、マックスから『エンジンからの振動が大きい』というフィードバックがあったので、われわれのほうでチェックしました。その結果、データには一切出ておらず、目視でも異常は発見されませんでした」

　ホンダとしてはデータに異常が確認されていないため、エンジンを変える理由がなかった。しかし、ドライバーが大きな振動を感じていることは事実。しかもその振動はフェルスタッペンのドライビングに影響を与えていた。

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