フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
米フィギュア連盟のLGBTへの姿勢。
「聞かない、言わない」から変化が。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byElsa/Getty Images
posted2020/07/06 11:00
2000年代に全米選手権を3連覇したジョニー・ウィアー。連盟関係者たちに「もっと男らしい衣装を着るように」などと言われていたという。
アメリカではリッポン、ウイアーらが体験談を。
一方USFSAは、6月25日に「Out on the Ice: Figure Skating’s LGBTQ+ Community Has a Story to Tell -- And Many Chapters to Still Write」By Darci Miller & Nick McCarvel(氷から出て:フィギュアスケートのLGBTQコミュニティには語りたいストーリーがあるーそしてさらにこれから書かれていく多くの章)というタイトルの、オンラインコラムを掲載した。
登場するのは、元全米チャンピオンのアダム・リッポン、ジョニー・ウイアー、2002年ソルトレイクシティ五輪銅メダリストのティモシー・ゲイブル、1988年カルガリー五輪チャンピオン、ブライアン・ボイタノなどである。
それぞれの選手の思いと、個人的な体験などが綴られている。
フィギュアスケートの世界にゲイの男性が少なくないことは、別に目新しいニュースではない。だがUSFSAは、これまで長いこと選手たちが公にカミングアウトすることを歓迎していなかった。
ガリンドやウイアーの苦悩。
1996年全米チャンピオンのルディ・ガリンドは、ゲイであることをオープンにした史上初の全米男子チャンピオンと言われた。だがタイトルを手にして間もなく、USFSAからゲイであることについて、公に語らないようにと要請された。
元全米チャンピオンのジョニー・ウイアーは現役時代、連盟関係者たちに「もっと男らしい衣装を着るように」「手首は曲げずにまっすぐ保つように」などと言われ続けてきたという。