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岩渕真奈が五輪延期より残念なこと。
「海外の話を全部断りました」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byAFLO
posted2020/06/27 11:30
オリンピックと、ヨーロッパへの再挑戦。2020年は岩渕真奈のキャリアに大きな影響を与える年になった。
「自分は隠さず言ってるタイプ。でも……」
――五輪を目指していたアスリートは、年齢や引退のことだけでなく、様々な思いがあっても、なかなか表には出せずにいるのではないでしょうか。
「自分は隠さず言ってるタイプだと思います。チームのトレーナーにも『今これやる意味ある?』とか言っちゃうし(笑)。
でもやってるふりはしなきゃいけないですよね、やってなくても……冗談ですよ(笑)。でも、私よりまじめな人たちはぴーんと糸を張ってこの1年間過ごすんだろうなと思ったら、それはしんどいかなと」
――周囲にもそういう辛そうな選手はいます?
「そんなに連絡とらないのでわからないですけど、いるんじゃないですか。そもそも、自分は怪我に慣れてて、サッカーをしない期間があっても練習し始めたらどれくらいでコンディションが戻るというのを知っているんです。このくらい時間があれば大丈夫だろうなという感覚がある。
でも、そんなにサッカーから離れたことがない人がほとんどだろうから、そういう人たちはやらなきゃという強い気持ちでやり続けてしまって、逆に大変そうだなと思います」
――振り返れば、2017年にバイエルンから日本に戻った時点で、代表や東京五輪が念頭にありましたよね。
「そうですね。いろんな葛藤はあった中で、あれから3年間でそれなりに成長できたとは思います。INACではなかなか結果が出てなかったので悔しくもあるんですけど、なでしこ(代表)では、結果が出るようになってきたかなと」
――この3年間、ご自身についてどのような変化を感じていますか?
「やっぱり気持ちの部分ですね。プレーというより、気持ちの部分で強くなったと思います。今までも責任を持ってやろうと思ってはいたけど、その責任の度合いというか自分の中での責任感の幅が大きくなりました。
今までもマックスのつもりだけど、そのマックスがどんどん広がっていって、常に気持ちの部分で責任を持てるようになってきたという感じかな、と」
――ちなみに27歳で五輪を迎えたあとのプランというのは、どんなプランがあったんですか?
「若い時は、東京オリンピック終わったら子供を産んで……、とか思ってました(笑)。落ち着いたら復帰できるしって考えてたんですけど、現実的にはそんなことはなくて(笑)」
――(笑)。