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岩渕真奈が五輪延期より残念なこと。
「海外の話を全部断りました」 

text by

了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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photograph byAFLO

posted2020/06/27 11:30

岩渕真奈が五輪延期より残念なこと。「海外の話を全部断りました」<Number Web> photograph by AFLO

オリンピックと、ヨーロッパへの再挑戦。2020年は岩渕真奈のキャリアに大きな影響を与える年になった。

もう一度海外で挑戦したい。

「INACとは、日本に帰ってきた時から、五輪の年までは移籍せずやりたいという話をしていました。実を言うとオリンピックが終わったらもう一回海外に行こうと思ってて、1、2年前から動いてはいたんです。それであとは自分が返事をするだけという時に、コロナの状況になってしまって。

 ドイツ時代も別にやれなかったわけじゃないけど、あの帰り方をして(バイエルンからの退団は、契約解除という形だった)、代表でも結果を出せるようになってきたからこそ、もう1回勝負したいという気持ちが強くなってきたんです」

――それが白紙に戻ってしまったんですか?

「INACは怪我をしている時も面倒を見てくれて、しかも今季はキャプテンをやらせてもらってるので、1試合も出ないでこの夏にチームを出ていくのは自分としてはイヤで。来年、東京五輪が終わってから海外へ再チャレンジするか、予定通りオリンピック前に海外へ行くかを天秤にかけました。

 オリンピックが終わっていれば、海外でたとえ試合に出られなくても自分がチャレンジして頑張りました、成長できましたでいいんです。でもオリンピックの前に行って試合に出られなくて、コンディション崩しましたというのはどうかな……って。いろいろ考えたら結局、今はいきたくないという結論になって、海外の話を全部断りました。今でも残念な気持ちは正直ありますね」

――次のステップに進むタイミングになるはずだったんですね。

「もう一回海外チャレンジするのが1年遅れたことは、東京オリンピックが1年のびたこと自体よりも残念。東京オリンピックのために1年頑張るのはいいんです。でも、海外に行けなかったこの1年はやっぱり残念」

――INACに加入した時からのプランでしたからね。

「はい。ずっと思ってたので……。やっぱり、自分は海外でやったほうが成長できるタイプだと思うんです。世界の舞台でちゃんと戦える選手になりたくて、そのためには結局、海外選手相手に日頃からやってたほうが自信も持てる。それに、プレーは技術より気持ちが大事だなって思うタイプなので、海外で常に戦うことで生まれる余裕はあるんだろうなって感じます」

――そんなに気持ちを大事にするタイプでしたっけ?

「自分は気持ちのタイプだと思います。負けず嫌いだし、めちゃめちゃ強気な方。もちろん技術もなきゃいけないし、その努力はしてきたつもりです。でも上手くても通用しない人って山ほどいて、じゃあその原因は何なのって、絶対内側の部分だと思うんです。

 日本の若い選手でも上手い選手はいっぱいいるけど、世界の舞台で活躍したり、フル代表で自信を持ってサッカーできてる選手が何人いるのって考えたら、自分はやっぱり海外にいったほうがいいと思う」

【次ページ】 「代表って絶対勝たなきゃいけない場所だから」

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